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収納魔法を裏返したら世界最強でした!~極小収納しか使えない無能と辺境に追放されたので、もう好きに生きます~  作者: 鳥助


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4.収納魔法の観測する能力

「疑うつもりはないのですが、この大地と空気はもう大丈夫なんでしょうか? 悪いものを移動させても、残ったものが良い物だとは思えないんです」


 エリザが心配そうにそう言ってきた。確かに、悪いものを移動させた後に残ったものが良い物とは限らない。今後の為にも調べる必要がありそうだ。


 調べるのは簡単だ。そのまま意識を向けて、物を観測するだけでいい。それだけで、情報が手に入るはずだ。


 この収納魔法の中に入った物は、詳細を教えてくれる能力もある。いわば、鑑定のような能力だ。


 その能力があれば、どんなことでも分かるはずだ。とにかく、すぐにやってみるべきだ。


 私は大地に手を当てて、物の観測をした。すると、情報が頭の中に流れ込んでくる。


【神土】


・かつて女神の祝福を受けたとされる伝説の大地。


・あらゆる作物の生育速度が飛躍的に向上する。


・種を植えれば、通常の数倍から数十倍の速さで成長する。


・野菜、果物、穀物、薬草、果樹など、植物であれば種類を問わず最高品質まで育成可能。


・土壌には膨大な栄養が含まれており、肥料を必要としない。


・収穫した作物は栄養価、味、香り、品質のすべてが最高級となる。


・連作障害が発生せず、土地が痩せることもない。


・毒素や瘴気などの汚染を一切受け付けない。


・神々から『神の土』と称えられた、世界最高峰の土壌。


「……え?」


 思わず間の抜けた声が漏れる。さっきまで、あれほど汚れ切っていた土地とは思えない。瘴気という不純物だけを取り除いたことで、本来の姿が現れたらしい。


「ユ、ユマ様? どうだったんですか?」


 不安そうに尋ねるエリザへ、私は驚きを隠せないまま答えた。


「この土地……世界最高の土なんだって。土がこんなに凄いのなら、もしかしたら空気は……」


 そう思って、意識を空気へ向けてみた。すると、大地と同じように情報が頭の中へ流れ込んできた。


【神気】


・かつて女神が世界へ祝福を授けた際に生まれたとされる伝説の大気。


・空気中には極めて純粋な魔力が満ちている。


・呼吸をするだけで体内へ魔力が自然と取り込まれ、魔力量が少しずつ増加していく。


・長期間この空気を吸い続けることで、魔力の器そのものが成長する。


・疲労回復を促進し、肉体の回復力を大きく高める。


・精神を安定させ、心身の疲れやストレスを癒やす効果を持つ。


・生命活動を活性化させ、病気や衰弱への高い抵抗力を与える。


・毒素、瘴気、呪いなどの有害な力を自然に浄化し続ける。


・世界樹周辺や聖域にのみ存在すると伝えられる、世界最高峰の霊気。


「…………」


 思わず言葉を失った。この土地だけでも十分に伝説級だというのに、空気まで世界最高峰だったなんて。


 つまり、このデルトール地方は、瘴気さえ取り除いてしまえば――世界中の誰もが欲しがる、最高の環境だったということになる。


「ユマ様……?」


 心配そうに覗き込むエリザへ、私は驚きと喜びが入り混じった笑みを向けた。


「エリザ。この土地、本当にとんでもない場所だったみたい。女神の影響で大地は神土だし、空気は神気らしいよ」


「そういえば、デルトール地方には女神が降臨したおとぎ話があります。そして、この地で邪神と戦い、その後土地が不浄な物になったとか……」


「そのおとぎ話が本当だってことなんだね。そうとも知らず、お父様は私にこの土地を寄こしたと……」


 私を苦しめるために辺境の酷い土地に追放したのに、不要なものを取り覗くと最高の土地だったということか。


 この事実を知れば、きっと悔しがるだろう。それこそ、頭の血管が切れるほどに。


 だけど、もうこの土地は私のものだ。だから、何があっても手放すことはない。もし、何かしてきた時は、実力行使で抵抗させてもらうことにしよう。


「女神の力が宿った土地と空気ですか……。私たちにはなんだか勿体ないですね」


「そうだね。恩恵を受けるのは嬉しいけれど、これだと宝の持ち腐れになっちゃう。だから、有効的に使わないと」


「どんな使い方があるのでしょうね?」


「そりゃあ、自然なバフが付くんだから、たくさんの人を呼び寄せればいいんだよ。バフの効果を受けた人たちは普通よりも何倍も働ける。すると、領地が発展するってこと」


 そう。このバフを有効に使うためには人の数を揃えた方がいい。バフは強力ではないが、数を揃えれば、それはとてつもない力を生み出す。


 だから、この土地に人を呼び込む。領地として発展させていけば、前よりも生きやすい生活が送れるかもしれない。


 今までは人に使われる人生だった。今度は人を使う人生になったって良いってこと、好きなようにとはそういうこと。


 エリザに体を向けると、盛大に宣言する。


「この土地を私の国とする!」


 もう、あの家族に好きなようにされるのは嫌だ。ここを自分の国にして、好きなように生きる! それが、今世の私の人生だ!


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