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うちの母様 ~天然街道爆走中~  作者: まるーにゃ


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20/21

かわいいのがお好き

ご覧いただきありがとうございます。


 母様は、私の(可愛らしい)くしゃみの音がお好みのようです。



私「──ぷしっ」

母「猫さんみたいねぇ。可愛いわ」

私「……ありがとうございます」


 ティッシュで鼻と口を覆いながら、ふがふがとお礼を言う私。


 くしゃみとは本来、異物を体から追い出すための反射的自衛行動です。なので、毎度、猫みたいなくしゃみが出る訳ではありません。時には──

 

私「えっ──」


 ──はい、息止めて!

 ティッシュティッシュティッシュティッシュ!

 動け! 仕事しろ、右手!

 早く! 息続かないから!

 出ちゃうから!

 ──はい、つかんだ! 取り出せた!

 ……息、やばい、早くティッシュを当て──(この間、約5秒)


私「──ぶしっ」


 危機一髪です。くしゃみを撒き散らさずに済みました。ティッシュが間に合い、さらに息ができるようになり、安堵の息をつく私。

 ──ということもあります。


 その時の母様の反応は。


母「ねぇ、まるちゃん」

私「はい?」

母「ママ、猫さんのほうが好きだわ」


 要するに、このくしゃみは可愛くないと言っておられます。


私「……今の状況では、無理ですね」

母「でも、くしゃみを一端止めるのはできるでしょ?」

私「撒くのはイヤですから」

母「その後、いつもみたいに『ぷしっ』ってできないの?」

私「……そういうコントロールはムリですわぁ」

母「最後のを変えるだけよ?」

私「私の『えっ』と『ぶしっ』は、切っても切り離せない関係となっております」

母「ママは『ぷしっ』が良いの」

私「『良いの』と言われましても、息を止めておくのが精一杯なので」

母「確かに苦しそうだけど……」

私「息を吸い込んでから止めるわけではないですから。その場で突然止めないといけないので、ティッシュを当てるまで数秒の地獄ですよ、ある意味。他のことを考えてる余裕はありません」

母「……そうなの」


 私の真剣な(マジ)顔に、しぶしぶ引きさがる母様。



 しょっちゅう出るくしゃみのうち、8割が「ぷしっ」なのですから、妥協していただきたいものです。


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