シャリア2
ハナはシャリアにうながされ王宮に帰る道すがら、この人は柔らかい雰囲気ながら何か人をねじ伏せる力を持っていると思った
確かカエン様と同い年だから今年31歳のはず
リオスもシャリアも独身である
「シャリアさんはサリさんが好きで独身なのかしら…」
シャリアはびっくりしてハナを見た
ハナも自分が思ったことが言葉に出てしまったことに驚いた
ウソ!私
なんて失礼なことを!!
青ざめるハナを見てシャリアは大声で笑った
「あはははっ…」
「王のおっしゃるとおりの方ですね、あなた様は」
「ああ、面白い」
「あなた様が正直に問いかけて下さったので」
「お話しましょう、私が独身の理由を」
「私は…数字がわからないのです」
「計算に弱いとかそういうレベルではなく数字に対する概念がない」
「数字と数とがどうしても結びつかないのです」
「それが強烈なコンプレックスなのです」
「とにかくそれを人に気づかれないように心を砕いて生きてきました」
「王はそれを気づかって地図づくりの時サリ様と組ませて下さったのです」
「サリ様ならそれに気づいても私を傷つけるような言動はとらないと見込んで」
「私はとても上手にそのことを隠しております」
「その欠点を知っているのは王とサリ様とリオス様…あとはユジン様だけだと思います」
「だからリオス様は予算等の打ち合わせに私を同行しないのです」
「そしてこの欠点を人に知られるのが嫌で私はあまり人と深く関われないのです」
「私がサリ様を好きで…という噂があるのは知っています」
「サリ様はとても素晴らしい方です…が、あの方を好きになる勇気が私にはありません」
「私は自分を自分以外のものに見せるのに必死で人を好きになる余裕がないのです」
「ただ、王の国と民を思う気持ちと高潔なお人柄に強く感銘を受けております」
「本当は田舎の神官でいたかったのですが…」
「王のお人柄に触れ、私でお役に立つことがあるのならと、政治局への移動を決心いたしました」
「今は、王のおそば近くで仕えられることに満足しております」
「それで私は充分幸せなのです」
「ハナ様の問いかけの答えになったでしょうか?」
「私は王にリオス様と共に灌漑の事業を任されておりますので、ハナ様へのご協力は早朝の私的な時間にさせて頂きます」
ハナは慌てた
「いえ、そんなわけには…」
シャリアは真顔でハナに言った
「実は私も温石には興味があったのです」
「どうかお手伝いさせて下さい」




