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王の花嫁  作者: 川本千根
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編み物

その後私も王も変わらず暮らしている


私は王の髪を結い、一緒に湖に祈りを捧げ、季節ごとの祭事を王と共に執り行う日々を過ごしている


鳥湖は湖の神に関する祭事が多い

これは朱国という実り豊かな国に暮らしていた頃の名残らしい

与えられたものの多さが神への感謝に繋がっているのだろう


私はもう馬は乗りこなせるし、神学の授業も終わった

フェイ様が急にお亡くなりになったのだ

とても悲しく心細い思いがした

王も内心は同じ気持ちだと思う


お父様が亡くなって一年経った頃、王はいきなり旅に出るとおっしゃた


視察…ではなく旅だそうだ


このところ、ずっと思いつめて考え事をしていると感じていた

いったい何を考えているのだろうと気になっていたのだけれど…


二ヶ月間西の青国との国境あたりを見て回るらしい

青国と朱国の間には緩衝地帯がある

国境というのは実際にはこの緩衝地帯との堺のことをいう


神事を重んじる鳥湖の王がそんなに王宮を離れるのは異例のことらしい


私とリオス様は留守を頼まれた

王が留守の間私はリオス様と湖の神に祈りに行った

リオス様は王の代わりに祭事の一切を執り行った


宰相のトウゴ様と近場の視察なども行かれている


そのせいだろうか

リオス様の顔つきが少し変わってきたような気がする




最近の私の楽しみは、ユキ様やサリさんに習っている編み物だ

ずっと手がただれていたから編み物をしたことがなかったのだけれど、とても面白い


お二人が上手、上手と褒めて下さるものだから余計にのめり込んでしまう

私は袋物をいっぱい作った


お父様に頂いた櫛も自分が作った袋に入っている


王も私の編んだ袋に身の回りの物を入れて旅に出た


長い…

二ヶ月は…



後から考えれば王の移動はこのときすでに始まっていた





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