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王の花嫁  作者: 川本千根
27/50

運命

私はあの羽音を聞いて恐怖で倒れてしまい、気がついたら果樹園近くの民家で寝かされていた

迎えに来た馬車に乗って家に帰ったのだけど、後からまわりの方たちにカエン様が私をかばって下さった話を聞いて大変なことになったと感じた


それが本当なら…ハナさんが傷ついている


ああ、ハナさんが誤解していなければいいのだけれど

正直今日お会いするのが気が重い




私の心配をよそに、その日お目にかかったハナさんはいつもと変わらないハナさんだった


昨日のアナン王の供養の参列を労い、蜂を見て気分が悪くなった私を気づかってくれた


その後薬師時代の知識を少し披露された

毒と薬は紙一重なのだというようなことを


私はもう少し薬草の勉強をしたいのだけれど、手が荒れることを嫌ってカエン様からお許しが出ないということをお話されてから話題を変え、フェイ様から習っている神学の雑学的お話を笑顔でされた


でもハナさん、私に言い訳をする隙を与えなかった


…やっぱりなにか誤解されている気がする





あれから私はがんばって、がんばってカエン様をもとの美しい人形に戻そうとしたけど戻って下さらない


あの日目の前を通り過ぎたマントの残像もいつまでも消えない


どんなにあがいてもキラキラ光る蜂蜜を手にした前の私には戻れない


苦しい

突き落とされるのには慣れているはずなのに




ある日気づいた


この苦しい日々が私に与えられた運命なのだ

どんなに苦しくても私は『王の花嫁』として生きて行かなければならない


そうして生きていくのは人を呪い毒草を求めて山野に分け入った日々への罰なのだ


ならば…


負けない、私は

耐えてみせる


受けなければならない罰なら受ける

償わなければならない罪なら償う


そして私に与えられたこの金色の髪と同じように王も受け取る


この苦しみごと


私の運命として




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