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王の花嫁  作者: 川本千根
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サリの気持ち

最近お父様のご様態がよくなられてきているのがなによりうれし

ハナさんがいらしてからだわ


ハナさんもよくお父様をお見舞い下さって

あの二人は気が合うのね


お兄様もハナさんを大事になさっている

お父様はカエンはハナの賢さを気に入っているとおっしゃっていた


この前はハナさんを馬に乗せて町に出かけたらしい

王宮ではちょっとした噂になっている


正直、お兄様がそんなことするなんて意外だわ

町の人はハナさんを見て色々言っていたそうだけど、お兄様は全然気にしてなかったそうだ

まあ、そういう方なんだけど…


外見を気にするのは下らないことだってお兄様はよくおっしゃっていた

あのお言葉は本心だったのね


私はあの日、ハナさんが選ばれたとき、見た目にびっくりしてしまったんだけど、あの方はやはり神様が選ばれた方だと思う


あの方がいらしてから王宮の空気が変わったような気がする


最近では髪も生えそろってきたし、皮膚のただれもかさぶたになってきた

髪の色と目の色を除けば限りなく普通の鳥湖の娘だわ

きっとお兄様ともうまくやっていける


ただ、サリの気持ちを思うと…

私はサリが小さいときからどれだけお兄様のことが好きだったかを知っているから


お兄様はサリのことをなんとも思ってなかったのかしら

それとも神事として花嫁を選ばなければならないからがんばって好きにならないようにしていたのかしら


それにしても…サリは立派だわ

誰よりも親切にハナさんに接している

もちろんそれが彼女のお仕事でもあるんだけれど


サリはハナさんがちょっと小首をかしげただけで、彼女の疑問を的確に察し、さっと近づいて行って彼女に答えを教えている


ハナさんが王宮の暮らしに早くなれるように、王の花嫁としての務めができるように…


いけない、私が泣いてはだめよね

サリがあんなにがんばっているのに




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