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なんで私⁉ 野球知識皆無のJKが戦国時代で野球を広め、信長の恋女房になってしまう件  作者: ハムえっぐ
【激ヤバ、信長包囲網結成編】

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第90話 長谷川真昼、水着回を披露する

 長良川の清流が、初夏の強烈な陽射しを反射してダイヤモンドのようにキラキラと輝いている。

 私たちの濡れた肌が太陽の光を弾き、バシャーンと跳ね上げた水しぶきがスローモーションのように空中で虹色の弧を描く。

 戦国の世とは思えない……いや、ここだけ令和のグラビア撮影現場かよ! っていう光景が広がっていた。


「ひゃっほーい! 冷たくて気持ちいいー!」


 水面から勢いよく顔を出した私が身に纏っているのは、岐阜の職人さんたちに「これ作って! 絶対売れるから!」と設計図を渡して作らせた、セパレートタイプの和風ビキニだ。

 素材は最高級の絹と麻のハイブリッド。陽光を浴びた生地は艶やかな光沢を放ち、水に濡れると私の肌に吸い付くようにぴったりと張り付いた。

 はしゃいでジャンプするたびに、布地が微妙にずれて胸の谷間が強調され、引き締まった腹部のラインや腰骨のくぼみが露わになる。

 激しい動きのせいでボトムの布が太ももの柔らかな肉感に少し食い込み、そこからキラキラと水滴が滴り落ちていく。

 これぞJKのこだわりが詰まった、健康的な色気と動きやすさを兼ね備えた逸品である!


「真昼……そんなに肌を出して……でも、動きやすくていいかな」


 苦笑いしながらも、同じく水着姿で涼んでいるのは秀吉さん……もとい、帰蝶様だ。

 普段の男装を解き、濡れて艶を増した黒髪を色っぽく後ろに掻き上げると、水滴が大人の色気満々な鎖骨を滑り落ちていく。

 男装のさらしでいつも隠されている豊満なバストが、薄い水着の布を押し上げるように主張し、そこからキュッとくびれた腰へと続くコントラストが凄まじい。

 伏し目がちなのに隠しきれない色気全開の視線は、同性の私でもドキッとするほどの破壊力だ。

 うんうん、たまにはこうして羽を伸ばさないとね。

 女子メンバーだけだし気兼ねなしだよ、帰蝶様!


「秀吉様は何を着ても似合うわね。でも全裸は駄目ですよ。秀吉様の全裸を堪能するのは元夫の信長様と、現妻の私だけですからね」


 可愛いフリルが幾重にもあしらわれた水着姿のねねちゃんだが、水に濡れたことでフリルが肌にぺったりと張り付き、薄っすらと肌色が透け気味になっている。

 少しあどけないセクシーさと裏腹に、発言はちょっと危ない。


「真昼と一緒に風呂に入ったことあるから、見られているのだが……」


 秀吉さん、真面目に答えないように。


「でも肌を密接させてるのは、ねねとだけなんですよね? 信長様と比べてどうなんですか?」


 大胆なビキニ水着でロリロリな肢体を惜しげもなく晒すまつちゃんが、爆弾発言を投下する。

 ねねちゃんが「ふふっ」と勝ち誇ったような、でも少し赤面した絶妙な表情を浮かべる中、秀吉さんは顔を限界まで真っ赤にして「なっ……!」と言葉を詰まらせ、そのまま水の中へ素潜りして帰ってこなくなってしまった。

 これだから超早婚旦那持ちは~。


「ハア……ハア……ハア。女の子同士……尊い。お市叔母様から貰った本の通り」


 もうすぐ家康さんの息子の竹千代君の元へお嫁に行く幼女おごとくちゃんが、浮き輪代わりの樽につかまってプカプカ浮きながら、ゾクッとする笑みを私に向けてくる。

 お市ちゃんめ。裏切る前におごとくちゃんに英才教育したの、やっぱりお市ちゃんかい。


「まひるー、だっこー」


 樽から身を乗り出してきたおごとくちゃんの水着がずれ、小さな肩が露わになる。

 無邪気を装いながら、小さな手つきは私のビキニのトップを器用に捲り上げようと忍び寄ってくる!


「ハイハイ、って! ビキニ捲ろうとしないで!」

「ちぇっ」


 幼児体型なのに、織田家の血筋を色濃く感じさせる、ヤンデレ特有の危うい笑みを浮かべるおごとくちゃん。


「おごとく様、駄目ですよ? 真昼様の胸はお父様の信長様のものなのです」


 紺色のスクール水着姿で真面目な顔をして注意するのは、八重緑ちゃん。

 水に濡れたスク水がスレンダーな身体にピチピチに張り付き、少女の瑞々しいラインをくっきりと浮き彫りにしているせいで、本人が無自覚なまま破廉恥な状態になっている。

 それに気づいたのか、急に顔を真っ赤にしてモジモジし始めた。


「ウキー」


 旭ちゃん? なんて言ったかわかんないけど、可愛らしい花柄のワンピース水着がよく似合ってるよ。

 水面に映るシルエットも、ちゃんとおしゃれな女の子だ。


 とまあ、野郎共にとってまさに眼福な光景広がる女子会なんだけど……やっぱり女子が集まると、必然的に恋バナになるわけでして。


「ねえねえ八重緑ちゃん。奇妙丸様とデキてるって本当なの?」


 ねねちゃんがニヤニヤしながら、一緒に水遊びをしていた八重緑ちゃんをつつく。


「えっ⁉ な、な、な、何を言ってるんですかねね様! 私はただ、誠心誠意、若様にお仕えしているだけです……!」

 

「へえ~? お仕えしてるだけなんだ~。でも顔、真っ赤だよ?」


 まつちゃんも「あらあら、お熱いこと」とクスクス笑う。

 八重緑ちゃんはボンッと音が出そうなほど赤面して、水の中に潜ってしまった。青春だねえ!


「そういえば旭ちゃんは、家康殿からまた文が来てたそうですね?」


 まつちゃんの言葉に、旭ちゃんが「ウキー」と頬をポッと赤らめて身をよじる。


「え? マジで?」


 あのタヌキ、まだ諦めてなかったんかい。

 姉川の戦いのあと、家康さんは信長様からいっぱい報奨金貰ったけど、肝心の旭ちゃん要求は「本人次第よ」と言って仲介してくれなかったんだよね。

 忠次さんとか数正さんとかの部下たちに「今、連れ帰ったら瀬名様に殺されますぞ、家康様が」とも忠告されてたっけ。

 結局、家康さんは旭ちゃんを強引に連れ帰ることができず、泣く泣く三河に帰ったんだよなあ。


「ウキキ、ウキー」

「種族の壁を気にしてるんだって」


 ねねちゃんの通訳、奥が深いぜえ。種族を気にする猿と、気にしないタヌキ……もとい、人間。家康さんの愛、重すぎるぜえ。


「そんなことより真昼様。真昼様はまだお子様ができないのですか?」


「え? 何? 八重緑ちゃん。顔が真顔なんだけど⁉ てか、できることをしたことがないんだけど⁉」


 私がツッコミを入れると、全員が、えぇ……って表情してくる。


「真昼……あんたいくつよ?」

「お市様も、二児の母になってるんですよ」

「ウキー……」


 みんな……私を同情の目で見るのやめて……。


『おごとくとか児童以外、全員成長が止まってるかのごとくピチピチだからよいではないか。巨乳が秀吉しかいないのが減点じゃがな!』


 バシャーンと水飛沫が上がって、センイチが浮かび上がってくる。


「いたのね……センイチ。地獄の獄卒率いて野球チーム結成する準備はできたか?」

 

『お、おい。目が戦場よりガチじゃぞ、小娘。いいじゃないか、永遠の16歳! いや、儂は永遠の17歳派じゃがな!』


 私はパキポキと指を鳴らして逃げるセンイチを、お父さん仕込のクロールで追いかけていくのだった。


 こんな私たちの光景を、葦の茂みの隙間から見つめる人影が3つ。


「ウキキ、ウキー」


 1つは秀長だ。あのエロ猿、双眼鏡代わりに丸めた葉っぱを目に当てて、遠くから鼻の下を限界まで伸ばして女子たちの柔肌と布の食い込みをガン見してやがる。

 もう残り2つは真っ赤な顔をして両手で目を覆っている奇妙丸君と、横で姿勢を低くして跪いている斎藤新五郎利治君。


「若君、男ならしっかり焼き付けておくべきですぞ。水に濡れて張り付いた布の質感、あの肌の輝き……それが将来の糧になります」

 

「し、新五郎! 何を言うか! 見てはならぬ、父上に言いつけるぞ! ……チラッ」


 奇妙丸君は指の隙間をガッツリと開け、赤面した八重緑ちゃんのピチピチのスク水姿から、秀吉さんの零れ落ちそうな谷間、私の食い込んだビキニの太ももまで、眼球が飛び出そうなほどの凄まじい熱量で舐め回すように見つめていた。

 ……あーあ。奇妙丸君も健全な男の子だねえ。ガン見じゃん。


 そんな平和で、ちょっと破廉恥な休息を楽しんでいた私たちだったけど、安らぎの時間は唐突に終わりを告げた。


 パコンパコンと馬の蹄が響き、岐阜城から伝令が奇妙丸君のところに駆けつけてくる。


「申し上げます! 多聞山城、松永山城守久秀様より早馬! 至急、お戻りください!」


 伝令の声が響き渡って私たちの耳にも入る。

 私たちは顔を見合わせ、急いで服を羽織っていく。

 八重緑ちゃんが奇妙丸君とバッチリ目が合ってしまい「キャー」って可愛い悲鳴を上げて、奇妙丸君が顔を茹でダコにして「ち、違うのだ!」と慌てる一幕がありながら。


 ……ああ、私の夏休み、終了のお知らせだ。

 

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