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なんで私⁉ 野球知識皆無のJKが戦国時代で野球を広め、信長の恋女房になってしまう件  作者: ハムえっぐ
【反撃開始、お市ちゃんの野望瓦解編】

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第133話 長谷川真昼、続々、織田家親族会議に巻き込まれる(前編)

 浅井・朝倉との長きにわたる激戦を終え、ついに畿内と北陸の脅威を払拭した私たち織田軍は、本拠地・岐阜城へと凱旋を果たした。


 大広間は血なまぐさい戦場から一転して、華やかな論功行賞が行われている。

 信長様は上段の間にドカッと座り、愛用の金属バットを布でキュッキュと磨きながら、殊勲の武将たちに次々と特大のボーナスを与えていく。


「五郎左! 若狭の平定と佐和山での働き、見事であった。貴様に若狭一国を与える!」


「ははっ。荷が重い大任ではございますが、この丹羽五郎左衛門長秀、若狭の民の腹と心を満たし、調和をもたらしてご覧に入れましょう」


 長秀さんはいつもの温厚な笑みを浮かべ、新たに家臣となる粟屋勝久さん、逸見昌経さん、建部寿徳さんたちを紹介され、深々と頭を下げた。

 おおーっ、長秀さんついに一国一城の主! 癒やし系イケメン大名の爆誕だよ!


 続いて信長様は、小谷城攻めでも遊撃として大活躍した羽柴秀吉さんを呼んだ。


「秀吉! 貴様には浅井の旧領、北近江三郡を与える! 与力として宮部継潤、阿閉貞征、阿閉貞大を使え!」


「ありがたき幸せ! 亡き長政殿のためにも、北近江を豊かで笑顔あふれる領地にしてみせます!」


 秀吉さんの出世に、後ろに控えていた秀長が「ウキーッ!」と歓喜の鳴き声を上げる。

 さらに蜂須賀小六さんや前野小右衛門さんたち川並衆も、「ヒャッハー! 俺たちもついに城持ち大名の直参家臣だぜ!」と肩を組んで大騒ぎだ。


「秀吉さん、やったね! これでねねちゃんも大名夫人だよ!」


 私も無邪気に拍手を送った。

 気軽に会えなくなるのは残念だけど、お菓子や食べ物の贈りっこしようね。


 ここまではよかった。

 論功行賞が終わり、空気が一変する。

 私以外、全員織田姓か織田の血が濃い人だけが大広間に集まってきた。


 未だ武田に寝返り中のおつやさんや、お犬ちゃんやおごとくちゃんのように遠くにお嫁に行った子を除いた、織田家の親族全員が召集されたのだ。

 

 おごとくちゃん、今頃岡崎に着いた頃かな? 侍女にしっかり者にして、家康さんがぞっこんの旭ちゃん(秀長の実妹のガチ猿)ついてるから心配してないけど。

 ……出発の日、私も拉致されて連れ出されそうになって危なかったよ。

 

 そう、ここからは血を分けた身内だけの、あの織田一族会議の時間。

 ちくしょう。何も知らされてなかったから、出ていくタイミング逃しちゃったよ。

 脱出経路が封鎖されていることと、誰も出ていけと突っ込まないのを何でだよと思いつつ、運ばれた物体に私はとりあえず残ることを決意した。


 だって広間の中央に、ゴザでグルグル巻きにされ、口には猿轡を噛まされたお市ちゃんが転がってきたのだ。


「フガッ! フンガーッ!」


 お市ちゃんは芋虫のようにウネウネと抗議の声を上げている。


(私をこんな姿にして! 早く真昼の隣に座らせなさい!)


 って目が言ってるよ。


 信長様は冷ややかな目でお市ちゃんを見下ろし、バットのグリップを握り直した。


「……俺は口を出さん。お前らで決めろ」


 まさかの信長様の丸投げに、例のごとく仕切り役として進み出たのは、信長様の腹違いの兄である織田信広様だった。


「さて、一族の皆の者。我が織田家に弓引いた大罪人・市の処遇だが……信長に反逆したのみならず、あろうことか長政殿を焚き付け、信長包囲網を結成させたこと、断じて許せん!」


 信広様の言葉に、親族たちが「そうだそうだ!」と頷く。


「今日の議題はずばり、『お市を次に誰に嫁がせたら罰になるか問題』だ!」


 ホッ。よかったね。お市ちゃん。処刑は免れたみたいだよ!


「フガッフガ、フンガーーーーーー」


 会議はあっという間にヒートアップし、真っ二つに意見が割れた。


「毛むくじゃらで、脛毛剃り禁止の相手に嫁がせるべきだ!」

 

 そう主張するのは信広様、信長様の叔父の信次様、信昌様、信直様、従兄弟の信成様たち。


「長政殿のように、脛毛をツルツルに剃って甘やかすような男だから市は付け上がるのだ!」


「次は髭もじゃで、絶対に脛毛を剃ることを禁じ、毎日ニンニクと猪肉を食うような山猿のごとき無骨な男に無理やり嫁がせよう!」


 過激派のトンデモ提案に、お市ちゃんは簀巻きの中で激しく暴れ回る。


「フガーーーッ!(絶対嫌! むさ苦しいおっさんなんて吐き気がする! 真昼以外と再婚するくらいなら舌噛んで死ぬ!)」


 対するは、小谷城で直接お市ちゃんの爆弾心中狂気に触れた信包様をはじめ、長益様、長利様、秀成様たち。


「まあまあ兄上たち、落ち着きなされ。市には茶々、初、江と、幼い娘が3人もおるのです」


「そうです。父親を失ったばかりの子供たちを抱え、今すぐ無骨な男と再婚させるのは可哀想すぎます。ここはおとなしく岐阜に留め置き、子育てに専念させるべきかと」


 激論の末、投票箱が用意された。

 決選投票の票入れは無作為で選ばれた奇数の9人。

 結果は、織田家会議って絶対こうなる決まりでもあるのかという、当然ながらの過激派4票、温情派4票の同数。

 

 んで、今回の残る1票持ってるのは誰⁉

 

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