81.隠し事
ふう。俺は、店の2階を整理整頓して、掃除をした。
やれば出来るヤン。やれば出来る子。自分で自分を褒めておこう。
俺は、仕事でのメモや、報告書の下書きを毎日書くが、会社事務所に限らず、自宅や、澄子の店の2階でも書く。
○月〇日。
ふう。俺は、店の2階を整理整頓して、掃除をした。
やれば出来るヤン。やれば出来る子。自分で自分を褒めておこう。
俺は、仕事でのメモや、報告書の下書きを毎日書くが、会社事務所に限らず、自宅や、澄子の店の2階でも書く。
澄子は、文句を言わない。仕事の延長だから。
よく、依頼者のトラブルの原因に、「仕事を家に持ち帰る」というのがあるが、それは家人のエゴだ。
勤めに出て収入を得る以上、残業も持ち帰りも当然のことや。
『5時まで男』の、区役所の職員ではない。
ことに、この興信所の仕事は、タイムレコーダーなんかない。自己申告で、適当に所長が給料出すだけ。
深夜の張り込み当たり前。その辺は、警察官と同じや。
そやから、花ヤンや横ヤンのような元警察官は重宝がられる。恩給はないが、定年もない。
作業を始めたキッカケの、報告書下書きはすぐに見つかっていた。
俺は、ファイルケースに下書きを入れ、鞄にしまってから、引き出しを閉めようとしたら、閉まらない。
さては・・・よくあるケースだ。俺は引き出しを引っ張り出して、中を覗きこんだ。
出てきたのは、写真や。
澄子の、若かり写真や。どこのグラドル?合成か?
俺は、そっと澄子の箪笥の引き出しの奥の方に、その写真を納した(しまった)。
夕飯の後、俺達は風呂に入った。
久しぶりや。この店舗付き住宅は、何故か二階に風呂もトイレもある。
流しっこしながら、澄子は「甘えて」来た。
「掃除してくれたから、サービスするわ。タダやで。」
「タダって、夫婦やないかい。」
「そういう意味ちゃう。」
澄子の目はギラギラしていた。
俺は、漸く、写真が入っていた理由が分かった。
いつか、放り込んだ。俺の、引き出しに。「きたるべき時期」の為に。
俺は、また嵌められた。
澄子は、「しとね」の為に「イメージ」を植え付けたんや。
ビタミン剤、まだあったかな?
ふと、横を見ると・・・。
―完―
澄子の目はギラギラしていた。
俺は、漸く、写真が入っていた理由が分かった。
いつか、放り込んだ。俺の、引き出しに。「きたるべき時期」の為に。
俺は、また嵌められた。




