80.VS暴走族
倉持の運転している車で信号待ちをしていると、東大阪市側から走って来た、暴走族のバイクが5台、連なって走って来た。
遠くから、パトカーのサイレンが聞こえる。
○月〇日。
倉持の運転している車で信号待ちをしていると、東大阪市側から走って来た、暴走族のバイクが5台、連なって走って来た。
遠くから、パトカーのサイレンが聞こえる。
交差点に進入してきた1台目を目がけて、つい飲み終えた缶コーヒーを投げた。
1台目は横転、他のバイクも玉突き事故。
パトカーが、連中を逮捕した後、1台目のリーダーが、こちらの車を撮影、写メを送った。
リーダーは、睨み付けるのではなく、薄ら笑いをして他の連中と連行されていった。
多分、スピード違反で、『鬼ごっこ』をしていて、こちらに『覚えていろ』と威嚇したのだろう。
数日後。午後3時。俺は長居公園近くを走っていた。
突如、東西から数十台のトラックと『箱乗り』して来た『ヤンキー』に囲まれた。
俺は、打ち合わせ通り、EITOの長波ホイッスルとやらを吹いた。
犬笛と同じ仕掛けだと、総子に説明されていたが、音が聞こえないとピンとこない。
やがて、『救援』がやって来た。
長い付き合いだが、初めての経験だった。
総子はEITOのユニフォームのまま、口上を述べた。
「天が呼ぶ、地が呼ぶ、人が呼ぶ。悪を倒せと我らを呼ぶ。参上!EITOエンジェルズ。満を持して。」
「エライ、特撮っぽいなあ。どっかで撮影してん・・・。」
サブリーダーは、後の言葉を告げることは出来なかった。
通称『胡椒弾』と呼ばれる玉が、専用の銃から撃たれたのだ。
EITOエンジェルズは、相手が拳銃を持った者がいるにも関わらず、棒で滅多打ちをした。
20分後。封鎖された、長居公園通りは、ヤンキーのお昼寝の場所になった。
間もなくパトカーが何台もやって来て、連中は逮捕連行されていった。
後で聞いた話だと、半グレの下部組織に入った、ヤンキーのグループの一掃作戦がEITOと警察で行われていた。
総子は、ドアをコンコンとノックした。
開けると、ニッと笑い、「お疲れさん。ご協力ありがとうございました。」と言った。
午後5時。南部興信所で俺は報告書を書いていた。
総子が帰って?来た。平服だ。
「倉持君の治療費。EITOが、って言うか、三美ネエが出してくれるって。」
倉持は、実は連中に闇討ちに遭ったのだ。
それで、俺は『囮』として行動していた。
俺は、総子を抱きしめたい気持ちにかられた。それだけ感謝している。
多分、EITOと警察を動かしたのは総子だ。
「さすが、芦屋グループやな。」
「お帰り。」後ろから声がした。澄子だった。
俺は、澄子を抱きしめた。子供を産めなくもええんや。総子を動かしたのは、きっと、澄子だ。
ふと、違和感を覚えた。
頭の上から息がかかっている。まさか!
夢だった。悪くない夢だ。
俺は、澄子にゆっくりと話をしだした。
―完―
EITOエンジェルズ総子の憂鬱(仮)シリーズのスピンオフ作品です。




