クエスト08【盗賊退治4】
ここは魔王の侵略に怯えるオイヘンブージ王国。
その王城にて、国王ブージ三世は頭を抱え苦悩していた。
「国王様、間もなく討伐隊が出発いたします」
そこに全身甲冑の騎士が姿を現す。
「ふむここまで準備したのじゃ、是非とも勝ってくるのじゃぞ」
「は、必ずや!」
ついに、王国主導の盗賊団討伐作戦が始動する事となった。
「噂によると、盗賊団は秘密の隠れ家に潜んでいるというからの、気を付けるのじゃ」
盗賊たちは森の中に、無数の隠れ場所と通路を作り、いつしか森は難攻不落の要塞へと化していた。
「正々堂々と戦わないとは、実に卑怯な連中です!」
「こういう時に、盗賊退治に有用なスキルを持つ勇者が居ればのう」
何気ない王様の呟きに。
「そんな事もあろうかと、ちょうど有能なスキルを持つ者を呼んで来ております!」
「なんと準備が良いな、よし連れてまいれ!」
「は、しばしお待ちを」
こうして王の前に、1人の若者が連れてこられた。
若者は南の異国風ないで立ちで、まさに荒波を超えてきた風格が溢れていた。
「では、その脅威のスキルを王に語って聞かせよ!」
騎士団長に呼ばれ、若者は顔を上げた。
「はい、私はこれまで様々な航海を経てきました、その度に様々な人々と出会い、そして様々な島で様々な冒険を経てきました」
若者は思い出すかのように語る。
「そして様々な財宝と様々な経験を得ました、そして私は七つの海を制覇したのです! その偉業から私のスキルは、船乗りであると言えます」
「長いわりに結構ふわっとしたスキルじゃ!」
「素晴らしい! その冒険では賊に襲われたりは?」
「もちろん海賊や山賊、様々な悪党と戦い生き抜いてきました」
「王様! 彼ならば必ずや盗賊の隠れ家も見つけられるでしょう!」
「いや、そうかの?」
「なぜ王様はそう疑い深いのですか! 彼は七海の覇者! 海に出れば右に出るものは居ないのですよ!」
「そうです、私に任せていただければどのような航海も安心!」
「盗賊団いるの森だから!」
王様の叫びが部屋にこだました。
「そこはあれですよ、さすがに応用でどうにか……できますか?」
尋ねる騎士団長に若者は難しそうな表情を浮かべ。
「湖畔ならギリ」
「だそうですよ王様!」
「置いてけそんな奴!」
後日。
「王様! 報告通り盗賊団を壊滅に追いやりましたよ!」
「うむ、見事であったな! しかし船乗りのスキルがあのような活躍をするとは」
「そうですね、とりあえず目隠しして皆で担いだ船に乗っけて、小豆をザルとかでザザーっと音を立てたら何とかなりましたね」
「絵面は想像したくない……」
王の悩みはまだ晴れそうにない。




