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クエスト18【王都復興2】

 ここは魔王の侵略に怯えるオイヘンブージ王国。

 その王城にて国王ブージ三世は頭を抱え苦悩していた。


「国王陛下、何を落ち込んでいるのです」


 そこに、低身長種族の眼鏡をかけた女性が現れる。


「うむ大臣か、いや実はな外壁の補修工事が騒がしいと思ってな」

「ですから隣国にご避難をお勧めしましたのに。ジャーデン侯も久しぶりに会いたがっておいででしたよ」

「いや王都が復興中の大変な時期に、王たる者が城を空けてはおれんのじゃ!」

「せめて貴族達の別荘かホテルにでも移っていただかないと、業者の人も邪魔そうにしていましたよ」

「象徴たる城が無いと肩身が狭いのう」

「いえシンプルにこの謁見の間の施工が出来ないと嘆いておりました。とはいえ、いらして居るのでしたら丁度いいです」


 そう言って大臣は、持っていた資料を広げる。


「むぅ仕事かのう、まぁこう周りが騒がしいとのんびりともしてられんからな」

「外装に関しましては、なるべく従来のイメージ通りとの要望を聞き受けましたが、内装にも色々と要望が入っております」

「内装か、今まで通りの感じではいかんのか?」

「えー住民からは図書室を作って欲しいと」

「図書か……商人や貴族から買い付けよ」

「商業組合からは折角の城なのだし、宝飾品や美術品等を飾りたいと、いっそ美術館を作って欲しいと」

「そうなると警備も厳重にしないといかんのう」

「冒険者組合からは」

「国王様! ここに居られましたか!」


 そこに勇ましい足取りで、全身甲冑の騎士が姿を現す。


「あらこれはピース騎士団長、お久しぶりです」

「む、ヘイワーズ大臣ではないですか、どうやら取り込み中ですかな?」

「いや城の内装について住民の要望に紛れさせて私の趣味部屋を作ろうと提案していた所です」

「ん? 今趣味部屋って言ったかの?」

「本当ですか!? 私雨天でも使用出来る訓練室が欲しいです、後泳げない騎士が多いので水中訓練の出来る大きな池も欲しいです!」

「全身甲冑で泳げるのは貴女くらいなものです」

「住民の要望優先じゃからの、お主らの要望は後回しだからな!」


 王が釘を刺したところで、話は戻る。


「それで、冒険者組合からは闘技場が欲しいと」

「いや別にうちに解放奴隷とか居らんからな、何を戦わせるんじゃ」

「いいじゃないですか闘技場! 私挑戦者を待つ感じで奥にスタンバって居たいです!」

「貴女が奥で待ってたら、誰も挑戦には来ないでしょうね」


 そう言って大臣は冒険者組合の提出してきた案を、ポイっと床に捨てた。


「続いて魔術師組合からは、城に魔術機能を搭載したいので、魔道具等を集めて欲しいと」

「それは難しいのう、商人から買い付ける物でもないしな」

「何でしたら、高難易度のダンジョンでも2.3か所行って集めてきましょうか?」

「騎士団長ならそれも出来るであろうが、無暗にそういった場所をつつくのも感心せんのう」

「では冒険者組合にお願いして、ランクの高い魔道具に懸賞金を付けましょうか」


 そう言って大臣は次の案に移ろうとするが。


「しかし魔道具なんて何に使うのじゃ?」

「はい、魔術師組合が城にいくつか機能を組み込みたいらしくてですね、その動力に魔道具が発する魔力を必要としているわけです」

「機能とな?」

「えっと、戦闘時の防衛機能、飛翔する魔物を迎撃する機能、城内における対魔法機能、空間を転移する能力に対するジャミング機能、一定時間ごとに城内の空気を清浄に保つ機能、気温変化に対して城内の温度を一定に保つ機能、平常時に心安らぐ音楽を流す機能、トイレ使用時に小鳥のさえずりと汚物を下水に排出する機能、夜間に自動で明かりがつく機能、宝物庫に施錠時高圧電流を流して侵入者を焼き殺す機能」

「多い多い多い、何かいくつか要らなそうな機能もあるし」

「いいなー、私も訓練で疲れた体を自動でほぐしてくれる機能とか、水浴びで濡れた髪を温風で自動で乾かしてくれる機能とか欲しいです!」

「まったくピース騎士団長、魔法は万能な力ではないんです、そんな便利な機能が魔法でどうこう出来るわけがないでしょう!」

「えー、無茶でしょうか、私魔法はからっきし分からないのでアレですが、上記の機能よりも実装出来そうな、あ、いえ大丈夫ですヘイワーズ大臣続けてください」


 気まずそうに騎士団長が一歩下がる。


「ともかく! そんなあれもこれも実装は出来まい、そもそも魔道具が無い以上どうしても必要な機能に厳選するのじゃ!」

「……そうですね、仕方りません。では私の自室に自動でフローラルな香りがする機能だけ優先して取り付けますか」

「やはり黒幕はお主か!」



 後日。


「国王様! なんか大臣から先端が物凄い振動をする見た目メイスの様な魔道具を貰いました!」

「ほう、それは良かったのう」

「これを使ったら、剣も通らない外皮の頑丈な魔物も一撃で倒せました!」

「それは多分使い方を間違えておらんか?」


 王の悩みはまだ晴れそうにない。


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