闇のコンサルタント現る
王都グルメコートの売上は右肩上がり。しかし、アルフレッド公爵(元AD)のもとに、一枚の真っ黒な名刺が届きます。そこには金文字でこう記されていました。
『トータル・ライフ・ソリューション代表:サキョウ・カグラザキ』
執務室に現れたのは、仕立ての良いスーツのようなローブを纏い、度の入っていない眼鏡を指で上げる、いかにも「デキる」雰囲気の男。
左京と言う謎の出資者が話し出した。
「失礼、アルフレッド公爵。……いや、『制作3部のアルフさん』。あなたの企画、拝見しました。なかなかのベネフィットを生んでいますが……詰めが甘いですね」
アルフレッドが椅子から飛び上がる
「その喋り方……! 貴様、どこぞのITコンサルか!? それとも広告代理店か!?」
それに左京が応えて、
「元・外資系コンサルタントです。この世界に転生してからは、闇のギルドをM&A(合併・買収)して、王国の物流を最適化させていただいています。……おっと、警戒しないでください。私はあなたの『出資者』になりたいだけだ」
そこへ、ミノンが割って入る。
「出資者? グルメコートはもう王子がバックにいますけど……」
左京が軽く笑い、
「フッ、王子一人のリソースでは、このビジネスはスケール(拡大)しません。私のギルドが持つ『瞬間移動魔法の物流網』を使えば、王都のグルメを全国にデリバリーできる。名付けて『ウーバー・ギルド』です」
と言うと、アルフレッドが歯を食いしばりながら応える。
「デリバリーだと……!? それじゃあ、俺がこだわっている『現場の熱気』が伝わらねえだろ!」
それに、左京が冷静に返す。
「だからこそ、私のアセット(資産)が必要なんです。温かいまま運ぶための魔法容器、注文を管理する魔導板……これらを一括でサブスクリプション化する。ユーザー体験(UX)を最大化すれば、この国のGDPは300%跳ね上がるでしょう」
アルフレッドが、顔をしかめながら、
「……気に食わねえ。コンサル特有の『カタカナ語の羅列』に、現場の人間として虫唾が走るぜ」
と言うと、左京はあくまでクールに、
「結果がすべてですよ、プロデューサー。私の資金とシステムがあれば、あなたはもっと『エグい予算』を組んで、大陸全土を巻き込んだグルメ・リアリティ・ショーを開催できる。……悪い話ではないはずだ」
と返す。そこでミノンが仲裁に入った。
「まあまあ! 二人の力を合わせれば、この世界に『マクドナルド』や『コンビニ』も作れるかもしれないですよ?」
アルフレッドが驚きながら言う。
「……っ! コンビニだと!? 24時間開いてる、あの聖域か!?」
左京が
「……いいでしょう。では、まずはマイルストーン(工程表)を確認しましょうか」
と、話を進めだした。




