王立キッチンスタジアム
「さあ、始まりました! 王立グルメコートの存続をかけた料理対決。対するは、伝統の守護神ギョーム料理長。そして……なぜかレフ板を構えながら不敵に笑う、我らがアルフレッド公爵です!そして、私ミノンが実況です。」
「公爵、お遊びはそこまでに。料理とは、歴史と礼節。貴公の作る『茶色くて匂いの強い塊』など、王宮の食卓を汚す邪道にすぎん!」
それを聞いたアルフレッドが吠える
「礼節? 結構だ。だがな、料理長。……あんたの料理には『パンチ』が足りねえんだよ。視聴者……いや、国民が求めてるのは、ひと口で脳天を突き抜けるような『衝撃のシズル』だ。見せてやるよ、現場で鍛え上げた『禁断の構成』ってやつをな!」
ミノンが宣言する。
「さて、対決テーマは『至高の肉料理』です。そして、先攻はギョーム料理長です。作品は、『王家の秘伝・白鳥のコンフィ 〜銀のソースを添えて〜』」
ギョーム料理長が悦に入って話す。
「これこそが芸術。素材の味を極限まで引き出し、見た目も高貴。これぞ王宮の正解だ」
ミノンが
「判定官は王様や貴族方です。」
と紹介すると、
「……美味しい。上品だわ」
と、優雅に頷きます。安定の「視聴率(支持率)15%」といったところ。
「後攻はアルフレッド公爵です。作品は『背徳の極み、溶岩チーズ・肉マウンテン(ガーリック・ライス・タワー仕立て)』です。」
アルフレッドが頃合いをはかって言う。
「よし、演出開始(本番)だ! エドワード王子、火属性魔法の出力を上げろ! 表面を一気に炙って……香ばしさを爆発させろ!」
ミノンがサポートに入る。
「アルフさん、チーズの滝、流します!!」
あなたが大きな器から、魔力でトロトロに保温された黄金のチーズを、積み上がった肉の山に一気にぶっかけます。
ジュウゥゥゥウウッ!!!(魔法の拡声器で音を強調)
アルフレッドが、
「見ろ、この音! この香り! これこそが現場のライブ感だ! 全員、箸(この日のために特注)を持て! 礼儀なんて捨てて、かぶりつけ!」
と興奮気味に煽る。
あまりの香りと視覚的暴力に、判定役の王様が我慢できずに手づかみで肉を口に運びます。
「……ぬ、ぬおおお!? なんだこの、暴力的なまでの旨みは! ニンニクとバター、そしてこの黄金のソース(チーズ)……! 上品なコンフィなど食っている場合ではない! おかわりだ! 全員にこれを配れ!!」
ギョーム料理長が、
「そ、そんな……。私の30年の修行が、こんな『映え』重視の料理に負けるなど……!」
と崩折れる。
アルフレッドは、料理長の肩を叩き、元ADらしい爽やかな笑顔で、
「料理長、あんたの技術は本物だ。ただ、『見せ方』を知らなかっただけだ。……どうだ? 俺の下で、この国一番の『飯テロ・プロデューサー』を目指さないか? あんたの技術があれば、もっとエグい画が撮れる(作れる)ぞ」
ギョームが、
「……エグい画……? ほう、それは……私のソースがさらに輝くということか?」
と驚いていた。




