王都グルメコート
王都の一等地に、前代未聞の「王都最大級グルメコート」を建設する会議が始まりました。
アルフレッドは、
「いいか、これはただの食堂じゃない。『ライブ感』と『回遊性』、そして圧倒的な『シズル』が同居するエンターテインメント空間だ! エドワード、お前の騎士団を動員して、このエリア一帯の石畳を磨き上げろ。そこが俺たちの『スタジオ(会場)』だ!」
と息巻いた。
エドワード王子が、
「アルフレッド、お前の熱意に押されて予算は確保した。だが、この『フードコート』という形式……貴族と平民が同じ空間で飯を食うなど、前代未聞だぞ?」
と言うと、ミノンが、
「王子、そこがいいんです! 『誰もが同じ感動を共有できる場所』。それが現代……じゃなくて、私の理想なんです。アルフさん、あの『実演販売コーナー』の準備は?」
と聞くと、アルフレッドが
「抜かりない。各ブースには魔力式の『遠隔投影鏡(大型モニター風)』を設置する。厨房で肉を焼く音、フランベの炎、包丁の小気味いいリズム……。それをリアルタイムで大映しにするんだ。『音と光の飯テロ・オーケストラ』だぞ!」
と返す。
メニューは、こうだった。
公爵プロデュースの、直火焼き・魔獣のテリヤキ串
ギミックは、注文が入るたびに、火属性の魔術師が豪快に火柱を上げて焼き上げる事だった。
アルフが興奮して言う。
「タレが焦げる匂いを風魔法で周囲100メートルに拡散しろ! 客が吸い寄せられてくるぞ!」
ミノン監修は、氷の魔術師がその場で削り出す、極細の氷。シロップは錬金術で色が変わる「映え」仕様だ。
ミノンのこだわりは、
「自由が丘のパティスリーにも負けない、口溶けの良さが命です!」
と言う事だった。
王子監修の騎士団のガッツリ・カツサンドは、王子自らが、
「これは我が騎士団のスタミナの源である!」
と演説(宣伝)して回る事になっている。
だが、エドワードは困惑しながら喜んでいた。
「なぜ私がパンに肉を挟んで配らねばならんのだ……。だが、この『カツ』とやらのサクサク感、たまらんな!」
オープン当日の視聴率(客入り)は120%だった!
オープンと同時に、王都中の人々が香りに誘われて殺到してきた。
アルフレッドが、
「よし、客のリアクションは、最高だ! まさに『撮れ高』しかない現場だな。おい、カメラ……じゃなくて記録係! あの泣きながらハンバーグを食べてる子供の表情、しっかり魔晶石に記録しておけよ! 次のプロモーション(宣伝)に使うからな!」
と言うと、ミノンが、
「アルフさん、もう公爵っていうより、完全に『敏腕プロデューサー』ですね(笑)」
と返した。
アルフレッドは、
「フン、これでも元ADだからな。……さて、次は『24時間耐久・王都グルメフェス』の企画でも練るか。もちろん、メインMC(司会)は王子にやってもらうぞ」
と、楽しそうだった。




