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異世界プロデューサーズ〜元AD公爵と私のB級グルメ建国記  作者: 輝久実


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密着親ばかドキュメンタリー

エグゼクティブ・プロデューサーの左京が、


「アルフさん。……この『おしゃぶり』のマーケティングデータを見てください。お嬢様が一度くわえるだけで、王都中のベビー用品がソールドアウト(完売)です。……彼女は、生まれながらのインフルエンサーですね」


と、ホクホク顔で言っている。


親バカ・プロデューサーのアルフレッドが、魔導カメラを3台同時に操りながら、


「……当たり前だろ! 左京、ライティングが甘い! うちの娘の肌の透明感シズルを出すには、もっと柔らかい魔法光ソフトボックスを当てろと言っただろ!」


と、怒鳴る。


ママ件統括プロデューサーのミノンが、


「アルフさん、落ち着いて。……ほら、娘ちゃんが離乳食(B級グルメ・ベビー版)を欲しがってますよ」


と、笑いかける。


アルフレッドが、3日間不眠不休(魔力でドーピング)で開発した究極の離乳食を、


「……いいか、ミノン。……この『完熟・魔導リンゴの裏ごし・黄金のカラメル仕立て』だ。……さあ、本番(あ〜ん)行くぞ。……カメラ、回せ!」


小さな新人の娘が、あむっと、食べ、満面の笑みで手をパタパタさせる。


アルフレッドが膝から崩れ落ちて、


「……カッ、カワイイ……!! 今のリアクション、見たか!? 100%の撮れ高だ!! 全王都のモニターで流せ! 今すぐだ!!」


と、急かす。


AD兼・子守のエドワード王子が、


「アルフレッド! なぜ私がこの『ガラガラ』を全力で振らねばならんのだ! 私はこれでも……」


と、愚痴をこぼす。そこを娘に指を握られて、


「……っ! ……よし、もう一回振ってやろう。……私は王子だからな、特別だぞ!」


と、180度転換して子供をあやす。


ドタバタの撮影(育児)が一段落し、夕暮れ時。

リビングのソファで、アルフレッドが娘を胸の上に乗せたまま、疲れ果てて眠っています。


ミノンがそっと毛布をかけながら、


「……アルフさん、お疲れ様。……昔の『深夜ロケ』より、ずっと大変そうですね」


と、優しく笑う。


アルフレッドは、半分寝ぼけながら、ミノンの手を握って、

「……ミノン。……俺、決めたよ。……こいつが大きくなって、『好きな奴ができた』なんて言い出すシーン……。……俺、絶対にボツ(放送禁止)にするからな」


と、こぼす。それを聞いたミノンが、


「ふふ、気が早いですよ、パパさん」


と、優しく諭していた。

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