発見!世界のシズル
ある日、エグゼクティブ・プロデューサーの左京が、
「アルフさん、新大陸の先住民たちが『伝説のスパイス』を隠し持っているというインテリジェンス(情報)を入手しました。これを獲得すれば、我が社のポートフォリオは完璧になります」
と言い出した。
元AD で公爵のアルフレッドは、双眼鏡を覗きながら、
「……新大陸か。前世の海外ロケじゃ、現地の水にあたって寝込んだ苦い思い出があるが……今の俺には、魔力と、そして最高の『炊き出し担当』がいるからな!」
と、ミノンを指して言った。
カメアシ兼・重い荷物持ち担当のエドワード王子が、
「アルフレッド! なぜ私がこの『重い魔導カメラ(記録石)』を運ばねばならんのだ! 私は王子だぞ!」
と、がなる。
企画監修のミノンが、
「王子、それが一番『画』になるからですよ。……アルフさん、見てください! あの島、形が『巨大なエビフライ』に見えませんか!?」
と、話題を変える。
そうこうしているうちに、新大陸のジャングルに踏み込んだ一行が遭遇したのは、巨大な「カカオのような実」。しかし、火を近づけるとパチパチと音を立てて光り始めます。
アルフレッドが、
「おい、カメラ回せ! ……これは、天然の『パチパチキャンディ・フルーツ』か!? いや、この刺激……『炭酸の結晶』だ!!」
と、驚いた。ミノンが、
「アルフさん! これにあの『魔蛸』を漬け込んで、高温で一気に揚げたら……『ハイボール唐揚げ』ができるんじゃないですか!?」
と聞く。
アルフレッドが、目を見開いて応える。
「……天才か!? 揚げ物の中から炭酸が弾ける……まさに口の中の放送事故だ!! よし、今すぐ調理開始(本番)だ!」
夜。真っ白な砂浜で、獲れたての巨大エビと「パチパチ唐揚げ」を、新大陸の謎の果実で作った「自家製コーラ」で流し込みます。
エドワード王子が、ムシャムシャと食べながら、
「……なんだこの食感は! 噛むたびに口の中で魔法が爆発しているようだ! 帰国したら、この島を『揚げ物特区』に指定しよう!」
と、意気込んだ。
アルフレッドは、ミノンに、一番大きなエビの身を差し出して、
「……ほら、食え。……新婚旅行だってのに、結局こうして新しいメニュー開発(仕事)ばっかりさせて、悪いな」
と、気遣っている。ミノンはと言うと、
「ううん、アルフさんと一緒に『新しい美味しさ』を見つけるのが、私にとって一番のバカンスですから」
と、素直に言う。アルフレッドは、波音に紛れて、ミノンの方に頭を預けながら、
「……そうか。……じゃあ、明日はあの山の頂上にあるっていう、『雲よりふわふわなシフォン岩』でも獲りに行くか。……世界中の美味いもん、全部あんたに食べさせてやるよ」
と、約束した。




