深夜2時の反省会
後日、アルフレッド公爵の執務室に呼び出されたミノン。その場で彼が差し出したのは、魔力でキンキンに冷やされた「ジョッキらしき銀杯」と、どう見ても「枝豆」にしか見えない魔法植物の塩ゆででした。
「……座れ。結界は張った。ここからは公爵でも何でもない。……ただの『元・グルメ特番担当、制作3部のアルフ』だ」
「……やっぱり! あの時、私の『巻き』のジェスチャーに反応しましたよね!?」
「当たり前だろ! 身体が勝手に動いたわ! 貴様……いや、あんたも業界人か? 先日の夜会の立ち回り、完全に『現場慣れしてるサブ担(副担当)』の動きだったぞ」
「私はただの視聴者でしたけど、自由が丘のスイーツ激戦区で並ぶのが趣味だったんです! でも公爵様……あ、アルフさん、その手に持ってるのは?」
「これか? 魔法で発酵温度を完璧に管理した『擬似生ビール』だ。見てろ、この泡の比率……7:3だぞ。黄金比だ。グルメ番組のインサート撮影で、何度この泡をピンセットで整えたと思ってる……(遠い目)」
「(涙目)……職人芸すぎる。こっちは、毎日この世界のパサパサのパンに絶望してたんです。オムライスなんて、夢のまた夢で……」
「安心しろ。……実は厨房を掌握した。明日の朝ロケ(朝食)は、俺の魔力で高速加熱した『ふわとろオムライス』を出す。チキンライスは、魔法薬学で生成したトマトペーストで完璧に再現してある」
「最高です……! もう一生ついていきます、プロデューサー!」
「よせ、今はまだAD(公爵)だ。……さあ、飲もう。この世界のクソみたいな『シナリオ』という名の台本を、俺たちの手で盛大に書き換えて(編集して)やるからな」




