王都麺ディスカバリー
コンサルの左京が突然現れて、眼鏡をクイッと上げながら、
「……ほう。アルフさん、独占禁止法に触れるような『秘密のレシピ』を隠し持っていたとは。この濃厚なスープの中毒性、そして麺のリピート率……これは、王都の食文化をリプレイス(置き換え)するポテンシャルがありますね」
と、静かに言った。
元ADのアルフレッドが驚いて、
「げっ、左京……! 貴様、いつからそこに!? 結界は完璧だったはずだぞ!」
左京は、
「香りのシグナルまでは遮断できていませんよ。……さて、提案です。この『ラーメン』を核とした、24時間眠らない不夜城『王都ラーメン横丁』を建設しましょう。ターゲットは、深夜まで働く騎士団、魔導師、そして……我々のような『元・社畜』たちです」
と、あくまで静かに言った。
そして、『ネオン輝く、魔法のラーメン・ストリート』の建設が開始されたのです。
左京の資金力と、アルフレッドの「深夜のテレビ局周辺」の記憶が合わさり、王都の一角が急激に様変わりしました。
演出はこうです。魔力式・赤提灯で街を仄暗く照らす。
アルフレッドが、
「照明、もっと落とせ! 綺麗な光はいらねえ。この、ちょっと煤けたような『哀愁』をライティングで出せ! 会社帰りのサラリーマン……じゃなくて、任務帰りの騎士が吸い寄せられるような色だ!」
と、息巻いた。
購入のシステムは、食券機を使用する事になりました。
左京の提案で指示が飛びます。
「注文のプロセスを最適化します。ゴーレムの腹にコインを入れると、厨房に瞬時にオーダーが飛ぶ。これでリードタイム(待ち時間)を極限まで短縮します」
商品開発、ご当地魔獣ラーメンは、監修がミノンの担当です。
「アルフさん、煮干し系の代わりに『深海魚の魔石』で出汁を取りました! エグみが最高です!」
そうしてオープン当日。『行列の絶えない、異世界の聖地』が完成しました。
オープンするやいなや、ラーメン横丁は爆発的な人気に。
エドワード王子は、警備主任兼・食レポ担当です。
「な、なんだこの『替え玉』というシステムは! 食べても食べても終わらない……これぞ無限の魔力! ……アルフレッド、もう一杯、バリカタで頼む!」
アルフレッドは腕組みして満足げに、
「……フッ、いい食いっぷりだな、王子。……おい、あんた。」
と、ミノンを指して言う。
「この横丁の端にある、あの看板……見たか?」
あなたが指差された方向を見ると、そこには小さな看板で『制作:アルフ&ミノン』と書かれていました。
アルフレッドは、
「……ここが、俺たちの『本番(現場)』だ。……左京に数字で管理されるのは癪だが、あんたと作ったこの味が、この世界を変えていくんだと思うと……悪くねえよな」
と、ニカッと笑った。




