深夜2時の背徳の現場飯
元ADのアルフレッドが、こそこそと、ミノンに言う。
「……おい、結界は二重に張ったか? 左京の奴にバレたら、また『これをパッケージ化してフランチャイズ展開しましょう』とか、ロジカルな説教を食らうからな」
助手のミノンが、
「バッチリです! 王子にも秘密ですよ。……さあ、アルフさん、あの『秘蔵のスープ』を!」
と、期待の眼差しで応える。
アルフレッドが、
「ああ。魔獣の骨を3日間、火属性の魔石でコトコト煮込んだ……『濃厚・魔獣骨醤油スープ』だ。この表面に浮いた黄金の鶏油……見てみろ、このシズル感。現場(テレビ局)の近所の店を思い出すぜ……」
と、遠い目をしながら返す。
ミノンが、
「麺はどうします? この世界の粉だと、どうしてもパサつきますよね」
と、心配そうに聞くと、アルフレッドが応える。
「ふっ、そこは抜かりない。風魔法で超高圧をかけながら、錬金術で生成した『かんすい(もどき)』を練り込んだ。……見てろ、この中太ちぢれ麺! 弾力が、もはや魔道具レベルだぞ!」
あなたが麺を茹で上げ、アルフレッドが「平ザル」を魔法で操り、見事な湯切り(天空落とし)を披露します。
そこへ、アルフレッドが、
「……よし。海苔3枚、ほうれん草、そして魔力を込めて燻製にしたチャーシュー。……完成だ。『王都・家系・アルフスペシャル』。……固め・濃いめ・多め、だぞ」
と、誇らしげに言う。
湯気が立ち込める中、二人は並んでカウンター(作業台)に座ります。
ミノンが、驚嘆する。
「……っ! 美味しい……! 脳に直接、現代の記憶が流れ込んでくるみたい……!」
アルフレッドはとういと、
「だろ? ……これだよ、これ。どんな高級な宮廷料理よりも、俺たちにはこの『ガツンとくる1杯』が必要だったんだ」
と、楽しそうに言う。ふと見ると、アルフレッドがあなたの頬に飛んだスープを、指で優しく拭い取ります。
アルフレッドが、突然神妙になって、
「……お疲れさん。放送事故の時、手を握ってくれて助かった。……あんたが隣にいないと、俺はただの『仕事人間』に戻っちまうところだった。……このラーメン、また二人で作ろうな。……今度は、もっと落ち着いた場所でさ」
と言うと、ミノンは、
「……それって、デートの誘いですか?」
と聞く。アルフレッドは顔を背けて、
「……っ、完パケ後の打ち上げだと言ってるだろ! ……まあ、会場(行き先)は、あんたの好きなところでいいけどな」
と誤魔化した。




