ライトさん入学式の朝
よっしゃー、夏休みじゃー!!。
わっしょい!!バイトしまくってやる~~~~~~!!
そして、一週間あいて申し訳ございません><
ライトは、アーサーに現実の方に戻る旨を話して承諾を得てログアウトした。
ログアウトの仕方を忘れて、思い出すまでの間、焦ってしまったライトであったが。
夕食を食べ終わり、頭に首元から頭にかけて覆いかぶさるようにつけたT-ギアを取り外し、ベッドかむくりと起き上った俊光はベッドに備え付きの時計を見て時間を確かめる。
4:30
確か、夕食を食べ終わった時間は10時ごろであったから、現実において、おおよそ6時間VRMMOをしていたということになる。アトゥムの世界では、電子空間限定で時空間の遅延・加速を可能にしたことにより、現実の4倍速で日々が過ぎ去ってゆくので、本当のことを言えば24時間超なのだが。
とりあえず、洗面所に行って歯磨きと顔を洗い行こうとしたライトは、それまでこの家には無かった違和感を感じ取る。
成人よりも小柄な人?が二人いると俊光は判断した。
読み取っているのは同一空間での音や量子といった振動するものの誤差で質量体をぼんやりと把握するもの、某アニメの如く気配がうんチャラかんチャラで気付くというわけではないがそれでいても僅かな、人間には感じえないはずの変化を感じ取る鋭敏な感覚はそれこそ獣以上であり俊光の異常性は上がる一方である。
俊光は今も寝ている状態である(推測)二人が誰かに気付き、そういえば、彼女たちが昨日からここに住むことになったんだったなといやに感慨な思いをもった。
4:45
ブラッシングをし、顔を洗ったライトは白装束のような服装で、この別荘から15キロほどの所にある泉に向かった。最近お気に入りの靴は靴屋に特注で作らせた足袋もどき、通常の足袋は靴ではないが素足同等の動きを可能にするために俊光が考案したものだ。
~別荘から泉までの距離は一般のランナーが自主練で走る程度あり、俊光の手ごろな鍛錬になっている。山道は町などのような整備が行き届いた平らな道は殆どなく距離で計る以上にキツイものがあり、木々やその根っこなども無作為に存在しているためとてもじゃないが走れないものである、山に住む人たちはそのような障害物はあって当然、むしろ自然であると感じえているために平然として山を走り回れるが、そのような人たちであっても今の俊光のようにさながら忍者の如く走れるのだろうかは疑問である。
一日中起きていたのと変わりないはずなのに清清しく走り行く俊光はやはり化け物だろう。
5:10
泉に到着。
25分、およそ分速600m。世界最速のVさん真っ青なことを平然とした俊光は一回大きく息を吸い、吐き出した。ここの泉は付近の水深は足につかる程度であり、水質がとてもいいので桜木さんの計らいで別荘の水源として利用している。
他にも利用している手段がある。
今は、そのためにここに訪れてきた。
そう、水浴び。
べつに別荘に風呂がなわけではない。備え付きのしっかりとしたものがある。
余談だが、別荘は、電気などいったものは、太陽の日照りが強い所の周辺にある個人用のソーラー発電所からまかなっていて、水はこの湖からといったオール電化・オールグリーンな別荘であったりする。
2年ほど前に加工した岩の断面に足袋もどきを置き、着服したまま泉へと入る俊光は岩がある腰のつかるところまで来ると岩に腰を下ろし、肩まで泉に沈める。朝の泉は、鳥の鳴き声がちらほらとどこからともなく聞こえてくる、また泉に動物が水を飲みにやってくる。そのような風景に心を和ませ、心地よい気持ちで水と一体になるかのように身を任せる俊光は、今一度あのゲーム機と彼女たちのことを考える。
(桜木さんは、どうして私にあのゲームをくださったのだろうか......)
(単純にお祝いの品というわけではないのだろう...)
(私に友達との接点を作ってほしいというのもあながち間違いではなさそうだが......)
(それに彼女たちのことについても何かしら理由があるからなのだろう......)
(然るに、あのゲームと彼女たちに何かしらの関係が...)
(まあ、いい。あとあと何かしらのアクションがあるはずだ......)
(その時に私が流されないように心がければそれで...)
(まったく、桜木さんめ......)
あのニヤニヤした表情で冷静な俊光を驚かそうと企む顔が思い浮かぶ桜木に苦笑しながら、かぶりを振る。もう体が冷えてしまいそうになったので泉からでたライトはあることに気付く。
(着替え忘れた)
引き締まった体に張り付く濡れた白装束を見ながらライトは困った様子で額に手を当てた。
5:40
先程よりは濡れてはなくだいぶましになった白装束を身に着け、足袋もどきを履いてライトは別荘に戻ろうと山を駆け抜けた。
6:03
山を走り抜けてる途中に山の山草が多数生えている場所を見つけ立ち止まり、とりあえずそこらへんの木とツルで作った籠の中へと入れてまた移動した。
6;08
別荘まで帰ってくると外で白装束と足袋もどきを脱ぎ桶で軽くもみ洗いをして竿にかけた。
6:15
風呂に入るために風呂場へと向かう俊光は、ささと動いて風呂場へと向かった。
向かう途中、リーナに遭遇したが俊光は気にした感じもなく通り抜けた。その時、リーナは顔を赤らませながら動きが止まり、裸ではないながらも半裸の俊光の姿を見て、それを脳内に焼き付けた。
6:17
風呂につかりながら、一息ついた俊光は今日が何の日であるか気づいた。
(入学式だったか...)
6:30
あまり入浴時間は長くはない俊光はすぐに風呂をあがった。
6:35
朝食を作ろうと俊光はキッチンへと向かったが香織がキッチンで料理しているのを見て、香織に朝食を作ってくれているのかと尋ねると、香織は至極当然のような表情をして頷いた。
リーナの様子がおかしい。何処がどうといわれたら何ともいいようには困るが自分と朝食を食べているとリーナは、時折こちらに何か話があるのかこちらに顔を向けて、いや、自分の顔の方ではなく、どちらかというと自分の顔より下の方を見てくるのだが、自分と目が合うと焦ったように前に向き直る、しかし、またこちらを見てはと、何やら奇怪な行動を繰り返す。この娘は大丈夫なのだろうか?自分がこの場で言うのはリーナとしても気まずいものであろうから、あとで香織に声をかけてリーナを気遣うようにしてもらおう。
桜木の所縁の者に対して気を遣う努力を惜しまないようにする俊光は心配そうにリーナを見たが、また丁度リーナと目があうと俊光の目線の意味が分かったのか申し訳なさそうな顔をしてまたそむけた。
朝食が終わって、俊光は香織にリーナを気遣うようにしてくれと頼んだ、頼まれた香織は俊光に対して何か言おうとしたが光の如くリーナが颯爽と現れて香織の口をふさぎ連れて行った。
香織を見る限り大丈夫そうだが、何をしたいのか分からないことに俊光は、女性というのは色々とめんどくさいものだなと失礼ながら思った。
自室へと戻った俊光は、入学式の制服をクローゼットから取り出す、準備自体は一年前に桜木が勝手に入学できるものとして済ましていたので滞りなく、あとはせいぜいこの制服を着るだけだ。
制服は、よくあるある学ランではなく、下地が紺のなかなかデザインのいいイタリアンなスーツとズボンで、この景気の中、西洋情緒あふれる貴族のようなこの服装はTVでたまに取り上げられる、まあその余談はともかく、ファッション性あふれるこの制服を俊光はちょっとだけ嫌だなと思いながら着る。
鏡には、貴公子然とした凛々しい俊光の姿が現されている。多少凛々しさよりも鋭利な雰囲気を受けるのはご愛嬌にしてもらいたい。
さて行こうか。
ライトは、扉を開ける。
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