ライトさんは、優しくない。
遅れて申し訳ない、多分これからも2週に一度のペースだと思います。
冷徹なライトさんは好きです。傲慢でわがままな気分屋さんな主人公というのも面白いと自分は思って今描いています。
唐突な彼女からの要望に、即答で拒否するライトはそのまま呆けている彼女をおいて帰ろうとする。
「待って!!」
呆けていた彼女は、それを見て呆気から戻り、ライトに声を荒げながら制止させようとする。彼女に若干の焦りと不安が見える、HPもMPもあまりない状態でモンスターに追われ精神的にも、アトゥム内の身体的にも疲労困憊でやっと、安心できる場所が出来たと思ったらその安息の地が自分から離れていこうとしているのだから当然だ、ここで一人などされては先程の二の舞を踏んでしまうことになるだろう。
死に物狂いでライトを止めにかかろうとする彼女にライトはどこか冷めた目で言葉を発す。
「........次はどうした」
「お願いだから、はじまりの町まで連れてって、パーティーメンバーも町にいると思うから、そこまで連れてってくれるだけでいいの。連れてってくれたらお礼も払うから!!」
ライトの冷めた目に気付かず必死に頼み込んでくる彼女に、ライトは次の言葉を発す。
「......行く気はない。」
あからさまに、彼女の要望を拒絶するライト。ここにきて、彼女は自分が勘違いしているんだと気付くこの男性プレイヤー自分と違って、冒険者の依頼を受けてきているのではないということを。これでは、自分のパーティーの者に無事に会うことができない、どうにかしてこの男性プレイヤーに頷いてもらわねば、それともいっそデスして町に戻ろうか、いやいや、自分がここまで頼み込んだのはこのゲームのペナルティーが厳しいからではないか、彼女はまたひとりでに悩んだ。しかし彼女は、はっと何やら思いついた表情をした。
「なら、私を君と一緒に連れてって!!」
彼女のこの突然な発言に、ライトは、面食らった様子で、少しだけ目を見開く。
しかし、ライトはすぐに、何を言っているのだこの女は、と表情には出さないが、蔑みに近い気持ちを抱いた。
「......先に述べた通り、私は君を助けた気はないし、助ける気もない。」
凍り付くような冷たい感情がライトを支配し、ライトとして珍しい連なった言葉を出す。淡々という言葉は、相手の意識に浸透し内部から凍り付かせるよな錯覚をさせる。
つまり、ライトは今、不機嫌であると言える。
ライトは考える。
アーサーの所に早く戻らなければ、心配...はされないだろうが、怪訝に思ってくるだろうとは思うし、そもそも、焚火さえままならずアーサーに一人で待たせるのは申し訳ない、おおよそアーサーのことだすべて一人でやってしまうのだろそう思うとその優しさに甘えている自分に嫌悪が沸く。そして、その優しさに自分から甘えに行く彼女に一層の嫌悪感を感じる、そもそもにおいて自分でここに訪れ、赤の他人に差し出がましく助けを求めるとはみっともない、頼るべきものもないなら、一度は立ち向かえというものだ。
しかしそれは、酷なことだ。
一般人からすると出来ない、不可能というものを実行するには他者から手を貸してもらうのは当然だと思えることに違いない。
できなければ、できる人にやってもらう。
さも、当然なり。
できないことは、できないし。やれないことは、やれない。
それが本当にその人にとって、できないことかできることかの真偽はおくとしても。
だが、だからといって、たかだか億人もの当然の常識がライトの常識である理由はない。
見えなきライトの精神の根幹が、ライトの常識を導く。
歪な形でありながらも、純粋で奥深い常識。
ライトは、やはり大衆一般の人物ではないようだ。
話を戻す。
ライトの凍てつく視線にさらされた彼女だが、あまり人のことを気にしない人物なのか、それとも焦りで気づいていないのか、ライトが不機嫌さを醸し出していることにさして気にせずに次の句を言う。
「これでも、私強いわよ。」
ライトはフッと失笑する。その様子に気付いた彼女は、ムッとした表情になる。
「なに?、馬鹿にしているの」
穏やかでない険悪な雰囲気が流れる。
「いやなに、どおしてこうも愚鈍なんだと思っただけだ。」
彼女が強かろうが弱かろうがどうでもいい、ただ興味が無いに尽きるとライトは思っている。そのことは先に述べているはずなのにどおしてここまで分からないんだろうか、ライトの悪癖にも近い傲慢な思考はある種の真実を難解にしながら、更に場を悪くする。
「アンタ、最低ね。もういいわ、こんなことになるんだったら、頼むんじゃなかった。」
そういって、名前さへ聞くことが無かった彼女は、はじまりの町に向けて森を進んでいった。
「未熟な、その道で襲われたことをもう忘れている。」
ライトは、冷徹に何も彼女に伝えることなく、踵を返す。
グッと一つ足に力を加え、アーサーの所へ戻った。
そんなライトの知覚には、彼女とライトがあってからこちらをうかがえ見ていたモンスターがライトではないプレイヤーの反応に近づくいているという情報がひっかかった。それを得てライトは、極めて冷静にはじめに戦ったコボルトたちのような集団で一人のプレイヤーを襲うのはよくあることなんだなと改めて、モンスターたちの狡猾さを感じた。
その夜に高い叫び声が鳴り響いた。
ガサガサ
「おお、今帰ってきたか。」
草むらから、現れたライトにいかにも今気づいたとばかりの表情でアーサーは声をかける。
ライトの推測通り、アーサーはライトの代わりに野宿の準備をすでに終わらせていた。
「すべてやらせてしまったか、すまないな。」
少しだけ申し訳なさそうな声でライトは答えた。
「なに、そちらで厄介事でもあったのだろう。気にするでない。」
「まあ、そんなものだ。」
「さしずめ、子女とのトラブルだな。」
ライトは、目を開き本当に驚いた様子でアーサーを見つめた。
わっはっはっはっはっはとアーサーは愉快そうに笑った。
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