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まだ続くのかよ

花束ブーケは見つからなかったけど・・・」


編集者が依頼人であろうNPCと会話を進めていく。

暇すぎる・・・


「なぁなぁ、召喚士。」


「ん?」


「アンタは、現実リアルでの名前はなんて言うん?」


「なんで今更?」


「学校より先に此処で会うたけん、

此処での呼び方を現実でもやってもうてたけど、

よぅよぅ考えたら、それ以外のアンタの呼び方を知らんのや。」


「・・・確かに、現実でも召喚士と呼ばれた方としては恥ずいな。

まぁ、俺もお前の名前を知らんから錠前屋って呼んでるし

ある意味で相殺してる気になってるが。」


だけど、本当に今更だ。

ゲームでの初対面の時は現実で関わり合いになると思ってなかったし

現実での初対面の時は講義前だったからなぁ。

タイミングを逃したと言えばそれまでだ。


「やけどな、あしらの呼び方ってアダ名に近いやん?」


「アダ名・・・と言えなくもないな。

傍で聴いてる方は、なんでそう呼ばれてるのか疑問は残るだろうけど。」


錠前屋は未だしも、召喚士って何を召喚するんだよ?って話だ。

俺だって修が『お~い、召喚士。』とか呼ばれて、

普通に会話してるのを見たとしたら、『お前、何を召喚した?』ってなるな。

アイツの事だから、お祭り部隊召喚になるんだろうが。


「まぁ、隠す必要がないし良っか。

ありふれた苗字だが、山本だ。

君でも、さんでも好きな敬称を付けてくれ。

面倒なら呼び捨てでもいい。」


タメだし呼び捨てにされても腹は立たん。

もっとも、後輩に呼び捨てにされても、

見下されてるんじゃなければ、腹は立たんがな。


「山元か・・・。

ほいたら、ゲンやな。」


「・・・言っておくが、マウンテンブックの山本だ。

ヤマゲンの山元じゃねぇよ。」


「なら、最初からそう言わんと分からんがね。

あしゃ、ヤマゲンかと思うたちや。」


そういう苗字があるのは知ってたが、

間違われるとは思わなかったよ。

普通、ヤマモトって言われたら山本だと思うんだが、

山本>山元 って、俺の偏見なんだろうか?


「さて、俺は名乗ったぞ。

お前の苗字はなんだ?

名前はユカリかユカ辺りなんだろうけど。」


自己紹介の時にユカリと名乗ったし、

編集者もそう呼んでるから、

近い名前だろうと推測はできるが

苗字までは流石に推測できない。

苗字が ”ゆかり” の可能性もあるけど

それはゼロではないだけで、実際は限りなくゼロに近いだろう。


「ん?

あしの苗字は田所や。

特別に様付けで呼ばせたるけん、感謝しぃや。」


「OK。

タドコロサマだな?」


本当ホンマに呼ぶなや。」


「呼べと言ったのはそっちだろ?

理不尽な奴だ。」


「アホゥ、冗談に決まっとるやろ。」


「その言葉、そっくり返すぜ。

俺も冗談のつもりだったんだが。」


やれやれ、冗談の通じない奴はこれだから困る。


「そういや、今更だが。」


「まだ何かあるんか?」


「俺、ギルメンの名前、半分ぐれぇ知らねぇわ。」


「何でや!?」


「俺に対する紹介はドクターが纏めて終わらせたし、

ジョブ名で紹介されたからなぁ。

そん時に取引した編集者、後は自己紹介してきたお前、

色々あってドクター、魔将戦で名乗りをあげた破壊僧・・・くらいか。」


「アスちゃんとさよは?」


「・・・あ~、予言者と仕立屋か。

名前で呼んだことないから忘れてた。

でも、大親分、解体屋、調律師はマジで知らねぇわ。」


あの3人は名前で呼ばれてる事を見かけたことがない。

解体屋にいたっては、山賊団にも ”解体屋” という名前だと思われてる節があるし。


「まぁ、とりあえずアレだ。」


「どれや?」


「リアルでは苗字で呼んでくれ。」


「山本やったな。

了解や。」


「頼んだぜ、田所様。」


「しつこいわ。」







「で、花を探す所からやる訳か。」


「お願い。」


編集者と会話したNPCの言うことにゃ

曰く、よく分からんけど、花束には不思議な力が宿っている。

その力でNPCの娘さんとやらを幸せにしたかったので、

なんとか妖精に頼んで花束を作ってもらったが、

その不思議な力が魔物を引き寄せてしまって奪われた。

特に重要な要となる花を食われたので、

散らばった花を集めて花束にしたとしても不思議な力はない。

同じ人が2回頼むことはできないので、

プレイヤーに頼んで、花束を作り直してもらいたい。

というのが大雑把な流れのようだ。


「でもさ、それって作り直したところで

編集者が襲われるだけなんじゃ?」


「そうなのよ。

しかも、今のお姉さんはあんまり戦えないのよねぇ。

かなり危ない状況なの。」


このクエスト、実は発端は街中で起こるらしい。

なんでも、編集者が取材のつもりでメルドラエをブラついていたら

突然、悪戯小人パックに悪戯をされて、全てのスキルを封印された。

封印とは言っても、厳密には弱体化らしく威力が弱くなるだけなのだが、

グランドクエストを抱える身としては、かなり好ましくない状況になったのは間違いない。

この封印を解くべく情報を集めた結果、

解くことができるNPCが湖の方に行った (ということになっているらしい)。

で、そのNPCは娘の結婚で気が気じゃない。

幸せを呼ぶという花束は魔物を呼び寄せて、他人プレイヤーの呪いはどうでもいい状況。

呪いを解いてもらうために、花束を作り直す。

というのが、このクエストの全容のようだ。


「・・・そのパックを締め上げたほうが早くないか?」


「そうしたかったんだけど、気づいた時は手遅れだったのよ。」


この姐御、意外に殺る気満々だ。

2~3話で終わる話だったはずなのに・・・

解せぬ。


誤字訂正。

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