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原因はお前らか

「ドクター、リアルの都合で

明日から1週間程インできないんだ。

申し訳ないんだけど、残りのメンバーだけで

攻略を進めてもらってもいいかな?」


「ふむ。

誰しもリアルを優先するべきだろう。

態々吾輩に許可を得なくとも

インできない旨だけ伝えれば良い。」





調律師不在のため、エンチャント役が心許ないと大親分が言うので

調律師が帰ってくるまで攻略は一旦止めて

各自でやりたいことをやることになった。

そして俺達は今、青の国の外れに居る。


「助かりました。

私だけじゃ、ちょっと不安だったんですよね。」


アーシィの上で

ニコニコとそんなことを言うのは仕立屋。

今日は彼女の鎧制作に必要な鉱石の採集に出かけることになった。

()()()()()()()()()()()

最初に、暇なら手伝って欲しいと声をかけられたのが俺。

そこに、


「だったら、ドロップ効率なら自分の出番ですね。」

と解体屋が加わり、


「あっちの方はほとんど知らないのよねぇ。

いい機会だから行ってみようかしら。」

と編集者が言い出し、


「人手は多いほうが良いんじゃないか?」

と大親分が協力を申し出、


「素手で鉱石が採れるか興味があった。」

と破壊僧が冗談に聞こえない事を言い、


「面白そうやし、あしも行くで。

もちろんぇよな?

答えは聞かへん。」

と錠前屋がおしかけ、


「出かけるなら私も行きたい。」

と予言者が留守番を嫌がり、


「我輩を除け者にするでない。」

とドクターまでが参加した。


ここまでは良かった。

ここまでは。

ピンクボム全員で動こうとしたところに、

タイミングが良いのか悪いのか、

偶然にもゴートさんがホームに顔を出してきて

俺達が採取に出かけることを聞き


「うちからも何人か出すから、手伝わせてやってくれ。

うちもそろそろ採取に行かないと在庫がヤバイ。

なんなら、えっと・・・

解体技師だっけ?

アイツにPKしてもらってこい。

うちのモンにも言い聞かせとく。」


とゴート山賊団のメンバーが30人参加。

山賊団側のリーダー役のバーナードさん曰く、


「これでも人数はだいぶ減らしました。

PKされても、解体屋のドロップチートが美味しすぎるので

インしてたほぼ全員が希望者でしたよ。

うちの頭も参加しようとしてました。」


とのこと。

棍棒を持ってなければ笑い話だったんだろうが、

どうやってバーナードさんがゴートさんを止めたのか

聞かない方が良さそうなので聞かないことにした。

道中、モンスターは出てきた途端に破壊僧が瞬殺しているため、

人数的な意味では過剰戦力だ。

小一時間ほどの道のりを、仕立屋に引率されて目的地に着いた。


「この辺をツルハシで叩いてください。

そしたら、何か鉱石が出ますので拾ってください。

それを後でまとめて買取ります。

ゴート山賊団の皆さんは、現物支給をお望みでしたら

鎧を制作して、後日お渡しすることになりますので

ご了承ください。

それでは皆さん、お願いします。」


仕立屋の挨拶で採取が始まり、

あちこちから、カンカンカンカン音が響き渡る。

時々、破壊僧が居る辺りから

ドゴンとか聞こえてくるが、空耳だと信じたい。


「う~む・・・

出ないなぁ。」


叩けば出る、と聞いていたが

叩けど叩けど、出てくる様子はない。

隣に居る錠前屋や予言者は

叩いては拾い、叩いては拾いを繰り返しているのに。


『主様はまた不思議なことをしとるのぅ。

主様が叩いたところで、出る訳がないというに。』


いつの間にやら、ライカが足元に出てきている。

こいつら、時々呼んでもないのに出てくるんだが

そういう仕様なんだろうか・・・?


「出るわけがないってのは

どう言う意味だ?」


休憩のため、手を止めてライカに尋ねる。


『主様はアイテムなぞ出んからの。

無駄なことは止めておくがよい。』


「そういや戦闘でもアイテム出ねぇな。

何か関係があるのか?」


『主様が知らんと言うのなら

妾が教えてしんぜよう。

ドロップアイテムは余った経験値の産物よ。

経験値が目に見える形になったものと言い換えても構わぬ。』


そりゃ初耳だ。


『細かい計算は複雑なので省略するが、

主様は妾達召喚獣で戦うな?

当然、主様だけではなく妾達も経験値を取得する。

それ故、通常なら余るはずの経験値が余るどころか

過剰に不足しておる。

主様が成長する分の経験値が優先されるが

それ以外は全て妾達が取得しておると思って良い。』


アイテムドロップがない理由はそれか。

知りたかったような知りたくなかったような。

各モンスターの個体経験値 から モンスターの種族経験値(いわゆる経験値) 

を引いた数値に プレイヤー職業運 を掛けた数値で、

基本的なドロップ判定が行われます。

勿論、リア運もありますが。


例えば、最初に戦ったカエル(※第6話参照)の場合だと、

個体経験値が31~40、種族経験値が25なので、

6~15 (カエルは11以上でアイテムドロップ) 余りますが

余った分から更に2回引かれるようなものなので、

ユウ君の場合は0にしかなりません。

採取では、採取経験値が

通常の3倍以上の値が必要になるのですが

普通はそんな場所があるわけがないです。

ただし、薬草摘みのような、そこに ”ある” と確定している場合を除きます。



解体屋は職業運が異常に高いですが、

職業経験値(いわゆる経験値とは別判定)も高いです。

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