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この人外め

「破壊僧殿に出来たのなら、自分にもできるはず。

自分のジョブは”解体屋”・・・

この身は体をほぐす者っ!!」


破戒僧が【戒めの風】を壊したのに続き

解体屋が


「やはり無理でしたか・・・」


続けなかった。


『二度も破られるものか!』


「いや、目の前でやった人が居るんだったら

自分にもできるかなって。

調子に乗りました、スイマセン。」


「まぁ、ヌシが解けなかったのは丁度良い。

久しぶりにタイマンが張れるというものよ・・・

さぁ、風の魔将とやらのの実力、

しかと見せてもらおう。」


拳をポキポキならしながら、

悠然と魔将に近寄る破壊僧。


『群れねば戦えぬ弱者風情が・・・

我と1人で戦うなど100年以上早いと知れ!!』


対するは、宙を舞うのを止め

破戒僧に一歩、また一歩と近づく風の魔将。


手を伸ばせば触れる程2人の距離が縮まった時、


「ぬぅりゃぁ!!」

『オラァッ!!』


2人は殴り合いを始めた。


バキィッ

ドガッ

ドゴッ


2人は一歩も退くことなく

ただ相手を殴る。

殴られれば殴り、殴れば殴り返される。


『テメェ、蟲にしとくにゃ惜しいな。』


「なんのなんの、貴様こそ魔将に相応しい拳よ。

それより、良いのか?

言葉が崩れておるぞ。」


『ぬかせ!!』


軽口を叩きながらも、両者の拳は止まらない。


「(召喚士、ちょぉこっちい。)」


錠前屋に小声で言われたので

ゴロゴロ転がって錠前屋の足元に近づく。


「(どうした?)」


「(”召喚解除”して”召喚”しなおしたら、

たぶんアシタローは抜けられるやろ。

今んとこ、アイツの注意は破壊僧に向いとる。

上手くいったら、奇襲かけれるんちゃうか?)」


「(のった。)」


破壊僧に気を逸らしている今が好機。


「(アシタローを【召喚解除】。

出てこい【召喚:鋼霊(タロナイト)】、【召喚:雷霊(ライカ)】。)」


転がっている俺の目の前に、カブトムシとハリネズミが現れる。


主様ぬしさま何故なにゆえこのような所で寝ておるのじゃ?』


ライカが本気で不思議そうに聞いてくるが、無視だ。


「(俺のことはいいから、破壊僧が、えっとあの蟲のオッサンな。

オッサンを援護してやってくれ。

これは、お前らにしか出来んことだ。)」


殴り合っている2人を顎で指す。


『よくわからぬが、それは無粋というものであろう。』


『・・・同意見。』


「(無粋でもなんでも、勝たなきゃ意味がないんだよ。)」


『主様の仲間が負けそうなので手を貸す、

ならば分かるがの。

わらわには、そう見えんのじゃ。

それとも、主様は仲間があ奴に負けるとでも?』


「(いや、そうとは思えないけど)」


『ならば、手を出すべきではない。

仲間の力を信じておらぬように聞こえる命令なぞ

主様の仲間に対する裏切りであり、侮辱でしかないわ。

妾達に命令を下すのは、もう少し待ってからでも遅くはなかろう?』


ライカが見つめた先に居た破壊僧は

体が赤く染まっていった。


「ワシをここまで追い込んだのはロイエス以来じゃ。

【鬼憑依】!!」


『それが、テメェの本気か。』


「おうとも。

そして、先に言うておく。

ワシはこれからの攻撃にワシの全てを賭ける。

この赤き我が身が黒くなるまでに

貴様を倒せばワシの勝ちじゃが、

貴様が受けきったらワシの負けじゃ!!」


『いいぜ、そういうのは嫌いじゃねぇ。

風の魔将ライプロッドが貴様の攻撃を受けた上で貴様を倒す。

こい!!』


「ピンクボムが副マスター、インセクターの破壊僧セト。

いざ、参る!!」


破壊僧が魔将の懐に入り込み


「【一鬼透穿いっきとうせん】!!」


ガードごと魔将を蹴り上げ、

ナパームストレッチの体制に入る


「【重力崩し】!!」


地面に叩きつけられ、バウンドして僅かに浮いた瞬間


「【一鬼凍貫いっきつうかん】!!」


蹴り上げ


「【百鬼夜光ひゃっきやこう】!!」


拳を何度も叩き込む。

しかし、破戒僧の体も徐々に黒くなりつつある。


「次で終わりじゃ。

勝ちたければ、耐えてみせよ。」


全身が黒くなりつつある中、破戒僧の右拳だけが赤いまま。

いや、赤いままではなく、赤く輝いている。


「これが、今のワシが放てる最高の一撃!

心紅しんく】!!」


破壊僧が右ストレートを繰り出し

ライプロッドを壁に叩きつけた。


「これに耐えたのなら、貴様の勝ちじゃ。

あとは好きにするがいい。」


破壊僧の体から白い煙が吹き出し、その場に倒れこむ。


『そうしてぇとこだがな、我はもう動けねぇ。

今回はテメェの勝ちにしといてやるよ。』


同時に、魔将が崩れ落ちた。

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