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こうして勝利を収めた

『召喚の際は、霊召喚のスキルで括られてはおるが、

霊と霊獣をごっちゃにするでない。』


アーシィもタロナイトも、俺が呼ぶ時は【召喚:○霊】だから同じだと思ってたよ。


『さて、問われてもおらぬのに、

我らが何かを教えることには制限があるゆえ

お喋りはここまでととしようかの。

じゃがな、マスター。』


鋼鉄の犀が俺を見下ろしなながら言葉を続ける。


『我らの能力はマスターのイメージに左右される。

雷に強いと思う者を疾く呼ぶがよい。

その者はきっとマスターの期待に応えようぞ。』


ヒントは貰った。

解決方法も分かった。

あとは具現化するだけ。

考えろ、雷に強いものを。


「【召喚:樹霊】、【召喚:火霊】。

樹霊、火霊を【召喚獣強化】!!」


木の枝と小さな火を呼び出し、

枝は藁人形へと姿を変える。

イメージはできた。


「樹精、スキル発動。

火精はスキルで出来たものを燃やせ。」


藁人形が竹槍を撃ち出し、それを火精が燃やす。

後に残ったのは、地面に突き刺さった大量の炭。

つまり、かつては電球にも使われた竹炭だ。


「召喚士、それだけではおそらく不十分だ!!」


「わかってる。

【召喚:水霊】、【召喚:風霊】。」


俺の意図を察したであろうドクターの声を遮る。


「水霊、スキル発動。

風霊はスキルで水霊をサポート。

対象は視界に映る竹炭全部。

ただし、壊すな!!」


水霊のスキルで生まれた水塊が

風霊のスキルで運ばれ、竹炭を濡らす。


竹炭は通電体。

しかし、炭なので通電すれば発熱するし、やがては壊れる。

それを防ぐために、水で濡らし地面に電気が走るようにする。

つまり、


「アシタロー、突撃ぃ!!」


動かない避雷針が増設されて、動ける避雷針が自由になる。


『その名前はなんとかならんかのう。

いや、今更言うても始まらぬか。』


ボヤきながらも、ヴィースラッテにむかって召喚獣が体当たりする。

自身が使える雷が減って動揺したのか

まともに体当たりを受ける。


「アシタロー、そのまま組み付いて押さえつけてろ。」


「アシタロー、痛かったらゴメンやで。

硬直罠スタン・トラップ】&【爆砕罠祭イクスプロード・パーティトラップ】!!」


アシタロー毎、ヴィースラッテを巻き込むように

錠前屋が罠を仕掛け、爆発させる。

ヴィースラッテ諸共アシタローが吹き飛んだが、

それでもヴィースラッテに組み付いたまま離れない。


「鬼か、お前は!!」


「先に謝ったやろうが!!」


「謝りゃ済む問題じゃねぇだろ、アレは!!」


「罠やと巻き込み誤爆フレンドリー・ファイアは発生せぇへんはずやから、

謝ったら済む問題や!!」


「はいはい、そこまでよ。

召喚士ちゃん、そろそろあの子達を止めてくれないかしら?

流石に、見えづらくなってきたんだけど・・・」


編集者の声に周囲を見渡すと、そこは一面湿気った竹炭林。

時間も範囲も回数すら指定してなかったせいか、

樹精はせっせと竹林を作り、火精は律儀にそれを燃やし

水霊と風霊は黙々と湿らせ続けていたらしい。


「樹精、火精、水霊、風霊、スキルストップ。

とりあえず、お疲れさん。【召喚解除】。」


4体を召喚解除して目を向けると、

組み付かれたアシタローを振り解くだけの体力がないのか、

元々腕力がないのか、

ヴィースラッテはアシタローの下でぐったりしてる。

そこに、ここぞとばかりに蹴りを入れる破壊僧や

プスプスと槍を突き刺す解体屋や

そういう使い方もできるのか、シールドでボコボコ叩いてる仕立屋の方が悪人に見えてくるのは

この際、見なかったことにしておこう。


時々、


『ちょ、やめ・・・』


とか


『痛い痛い痛い、

それは反則・・・グギャッ!!』


とか聞こえてくるが、きっと幻聴に違いない。

アシタローがヴィースラッテ相手にマウントポジションを取って


『貴様がっ!!

力尽きるまで!!

我は殴るのを止めぬ!!』


とか叫びながらボコボコにしてるのが見える気もするが、

きっとそれも幻覚だ。

最近、疲れてるからなぁ・・・


『これで勝ったと・・・もごっ。

顔は、顔だけはやめてぇぇぇぇ!!』


ヴィースラッテが何か言いたかったようだが、

叫んだと思ったら急に黙ったし、俺の影から雷霊が出てきたので

きっと、勝ったんだろう。

避雷針作ってからは、確かに楽に勝てた気もするけど

それ以上に何か納得がいかない結果だった。


雷霊獣に進化した雷霊を見て、シミジミそう思った。

アーシィ&タロナイトの略でアシタロ。

ユウ君的に語呂が悪かったのでアシタロー。


雷霊獣の姿は次回へ持ち越します。

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