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こうしてチートを目撃した

俺がギルドに入って30分ほどしてから解体屋が現れた。

解体屋は ギルドマスター=上官 だと認識しているらしく

ドクターに俺と2人でモスノに行けと言われても


「了解です。」


の一言で終わった。

そして、俺、解体屋、ゴートさんの3人でモスノにあるという

ゴート山賊団のギルドホームに入ったのだが・・・


『賞金は、いつもニコニコ現金払い』

『素材は高く買って、生産職に安く売れ』

『寒い時は日向を譲り暑い時は日陰を譲るが山賊道』

『一日一善、一食一膳。暴飲暴食控えよう』


OK。色々待とうか。


「ゴート殿、あれは一体・・・?」


「ん?

あぁ、ありゃあウチの今月の標語だな。

まぁ、大体あれらになるのが困りもんだが。」


解体屋の質問に笑顔で答えるゴートさん。

もう、この人たち山賊じゃなくていいじゃない!!

寧ろ、3つ目とかドコの仁義の人だよ。

山賊とはかけ離れちゃってるよ。


「ところで、自分と召喚士は何をすれば良いのでしょうか?」


「おぅ。ウチのモンと試合ってもらいてぇんだ。

めぇさん、人より多めにアイテムがドロップするそうじゃねぇか。

何、お前さんがドロップさせたアイテムの中で要らねぇモンがありゃ

ウチで買取りたいってだけよ。

無論、要る物だったら無理に売る必要はねぇ。

欲を言うと、素材がドロップしたら出来るだけ譲って欲しいんだが

無理強いはせんとゴウの奴に誓ったからな。

お前さんさえ良けりゃ、可能な限り適正価格以上で引き取らせてもらいてぇ。

おい、バーナード!!

例の素材あるだけ持ってこいや!!」


バーナードと呼ばれた、犬型のビースターは

ゴートさんの声に尻尾を丸めて走り去った。

よく見えなかったが、セントバーナードに似てる気がする。

走り去った時と同じスピードで、バーナードが帰ってきた。


「頭、持ってきやした。」


「おし。んじゃ、装備品全部外して、それ持ってそこに立ってろ。」


「へい!!」


バーナードが何か操作をすると、着ていた鎧も

背中に差していた大剣も

腰に差していた短剣も

一切合切が消え、布の服を纏うだけとなる。


「おう、忘れるとこだったぜ。

誰か先生せんせぇ呼んでこい!!」


「うっす、お頭!!」


今度は蜘蛛型のインセクターがどっかに走っていく。

忙しそうだなぁ・・・


あんちゃんよ、お前さんにはアイツを倒してもらいてぇ。

いわゆるPKってやつだ。」


PK。

その言葉に、解体屋がビクッとなった。


「たしかに、PKって行為は褒められたもんじゃねぇ。

そんなこたぁ、俺ら『ゴート山賊団』のギルメンが一番よく分かってる。

しかし、そこを曲げて頼みてぇんだ。

無理強いしねぇと誓った手前、

嫌だと言うなら俺はお前さんに強制はしねぇ。

だがな・・・」


そこで一旦区切り


「俺ぁ、発想の問題だと思ってる。

PKと言うのが聞こえが悪いってんなら、

試合、あるいは鍛錬と言い換えてもいい。

ゴブリンなんかの人型のモンスターが出た時、

お前さんは倒すだろ?それと一緒よ。

俺らは珍しいスキルを見ることができる。

お前さんは対人戦の経験を積むことができる。

言ってみりゃ、ギブアンドテイクよ。

半年前みたいなイベントもあるかもしれんしな・・・」


半年前?


「丁度GWだったな、ありゃぁ。

運営がよ、最強プレイヤーを決めるとか言い出して

5月の3連休に3日連続のバトルイベントをやったわけよ。

俺も勿論参加したが、結果は予選敗退よ。

そっからだな・・・

もっと強くなりてぇ、もっと知りてぇって思うようになったのは。

ついでに言うと、そん時の優勝者がお前らのトコのギルマスだ。」


「まぁ、んなわけでよ。

相手の手の内を知りたいってのと、

生来の性格ってやつか、弱いモン見てるとっとけなくてよ、

初心者わかばマークを助けるのと同時に、

対人戦ができるギルドを作ったってわけだ。

俺にしちゃあ、一石二鳥だったぜ。

こっから先、対人イベントがあるかもしれん。

そういうクエストだって、俺らが受けれんだけで

お前らは受けるかもしれん。

そのための練習だと割り切れ。」


「対人イベント云々は初耳でしたが、

さようなイベントがあったのですね。

分かりました。

自分も自分の強さを試してみたいです。

その時のため、貴方がたの胸をお借りします。」


「おぅ、やってくれるか?

何、心配すんな。

ウチにはちゃんとヒーラー職も居る。」


ガッシリと握手をする解体屋とゴートさん。

二人は分かり合えたようだ。





結論から言うと、解体屋はドロップチートだった。

自己申告以上の。


実験台になったバーナードさん。

彼は両手剣と短剣、いくつかの素材をインベントリに入れていたらしいのだが

彼を倒した時に、解体屋がドロップさせたのは


●黒鋼の両手剣(雷属性)

●疾風のダガー(命中+7% 毒付与+23%)

●ペガサスの翼 22枚

●キリングリザードの鱗 19枚

●ギガポーション(HP5000回復) 7個


ちなみに1回の戦闘で、である。

素材2種はドロップモンスター自体がLv500代で、

しかもドロップ率が低い(3%くらい)ので、普通ならレアドロップ扱いなのだが

解体屋にかかると、単なるドロップ品と化すらしい。

ピンポイントで4つ5つしか無い素材が増えまくったとか。

その上、効果を持たない普通の武器が

属性なり効果なりが付与されるという解体屋クオリティ。

これには流石に依頼したゴートさんですら引いてた。

黒鋼の両手剣は解体屋が装備したところ、

新しいスキルを覚えたらしいので、そのまま解体屋が所持し、

ダガーはその場でオークションに掛けられ、1Mで落札された。

その後も、何人かというか、ほぼ全員が装備品を強化したいので戦いたいと申し込み

司会:ゴートさん 実演:解体屋 による装備強化祭りが始まった。


俺は俺で何人かのギルメンと勝負し

アーシィ以外の召喚獣を使ってボコボコにして、合計で500k程の賞金をもらった。

召喚獣とモンスターでは戦い方が違うので

目新しかったらしく、みんな良い笑顔で戦ってくれた。


やっぱ、良い人ばっかだ。


























俺よりも解体屋の方が人気があった。

当たり前だけど・・・

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