こうしてアシを手に入れた
「予言者に破壊僧、どう見る?
吾輩、700~800級相当であると感じたのだが。」
完全に動かなくなった亀野郎を見ながら
ドクターが問いかける。
「ふむ。
ワシが本気を出した上で、
なお倒しきれなんだところを見ると
750級以上じゃな。」
「私の【極虹のブレス】でも、削れなかった。
でも、800級程の耐久力はない。」
「してみると、やはりその程度が妥当か。」
ギルドのトップ3での話し合い。
うち、1人は未だに大の字で寝転がっているが。
その話し合いの最中、
「土霊?」
土霊が召喚していないのに勝手に召喚された。
俺の体は、何故か動かない。
勝手に出てきた土霊がロイエスに触れると、
そのまま、ロイエスごと消えた。
時間にして10秒ほどだろう。
しばらくして、土霊だけが出現し
土の塊だったそれは、2m程の犀へとその姿を変える。
そして、俺の方へ突進し
俺の体に吸い込まれた。
「なんだったんだ・・・?」
「召喚士、今の何や?」
「俺が知るか。
勝手に土霊が出てきたと思ったら亀と姿を消して、
今度は出てきたと思ったら姿を変えたんだよ。
【召喚解除】、【召喚:土霊】。」
説教してやろうと思って、土霊を呼び出す。
聞くかどうかは別として。
が、召喚されたのは土塊ではなく
さっき俺の中に消えた犀だった。
「?
【ステータス・オープン】。」
名前:NoName
種族:低位土霊獣 職業:召喚獣 称号:なし
Lv:200
HP:660/660 MP:1638/1638
攻撃:物理/魔法:115/285
防御:物理/魔法:115/115
体力:230 魔力:719
腕力:230 知力:380
魅力:230 敏捷:230
種族が変わっただけじゃなく、
レベルが倍以上になってやがる・・・
「よく分からんが、亀野郎を倒したことで
土霊がパワーアップしたらしい。」
「そういえば、『大地のロイエス』とか名乗っておったな。
それ故、土属性の召喚獣が強くなったのであろう。」
なるほど、ありえる話だ。
封印するのに、力を使って弱体化しました。
なんて言われた日にゃ、9匹目で積む。
それよりは、遥かにマシか。
それにしても
「俺より強ぇじゃねか。
チクショオオオオオオオオオオオオオオ!!」
レベルと魔力、MPは俺より下だが、
魔法攻撃が俺の5倍以上ある。
知力にいたっては7倍以上だ。
『ご主人。
いきなり叫んじゃあ、いけませんぜ。
他の方々に迷惑でさぁ。』
「喋れるのかよ!?
しかも、何その無駄に渋めのバリトンヴォイス。」
「え?」
「は?」
「何と?」
『ご主人。
アッシの声は、ご主人にしか聞こえやせん。』
え、そうなの?
『何、アッシはしがない召喚獣。
これまで通り、命令して下せぇ。
アッシは所詮、ご主人の命令通りに動くことしか能の無い役立たず。
ご主人の命令でこの命を散らすなら、いっそ本望ってやつでさぁ。』
すまん、土霊。
いや、土霊獣。
俺は、お前を説教しようとしたのに・・・
『良いってことでさぁね。
過ぎたことを悔やんだって、良い事なんてありゃしやせん。』
そう言って、俺の足元にうずくまる。
『今のアッシは土霊獣。
騎士が乗る馬や、幻獣ナイトが駆る幻獣には速さでは負けやすが、
奴らと違って休み無しで、どこまでも行けやす。
乗り心地は悪いでしょうが、乗り物替わりにも使って下せぇ。
荷台さえありゃ、馬車馬の代わりも出来ますぜ。』
首で背中に乗れという様なジェスチャーをする。
振り落とされないだろうかと心配しながらも、
恐る恐る乗ってみようとして
「何しとんじゃ、阿呆ぅ!!」
錠前屋に叩かれた。
「いや、土霊獣が乗れって・・・」
「だからって、そのまま乗る阿呆ぅがおるか。
鞍くらい、載せちゃりぃ。」
え、怒られるポイントってそこなの?
『ご主人、アッシの気配りが足りんばかりに・・・
スイヤセン。』
そう言って、土霊獣が背中を揺すると
背もたれ付きの椅子が3つ出てきた。
『ご主人、申し訳ありやせんが、
【召喚獣強化】をお願いできやせんか。
今のアッシだと、3人が限界でさぁ。
このままじゃあ、乗れない方も居りやすんで
不公平になっちまいまさぁ。』
背中に椅子が出来たので乗りたいのか
土霊獣をガン見してる予言者、編集者、仕立屋を
逆に見返しながら提案してくる。
一々優しいな、コイツ。
「【召喚獣強化】。」
土霊獣の要望に応えて強化してやると
2m程の犀が5m程の三角竜へと姿を変え
背中の椅子がメンバー分の10個に増える。
開きっぱなしのステータスを見ると、
名前:NoName
種族:中位土霊獣 職業:召喚獣 称号:なし
Lv:400
HP:1660/1660 MP:2398/2398
攻撃:物理/魔法:315/415
防御:物理/魔法:315/315
体力:630 魔力:999
腕力:630 知力:830
魅力:630 敏捷:630
とうとう、レベルまで抜かれた。




