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こうして最初の悪魔と遭遇した

「どうも、ココやな。」


錠前屋が止まったのは、ビースターの国レダイ。

その首都ジレオンにあるレダイ城がそびえ立つ崖の真下。


最初に倒す悪魔を、レダイに封印されていた悪魔に決めた俺たちは

手がかりを得るべくレダイの首都ジレオンに行ったのだが、

ジレオンに着くなり、錠前屋が


「なんか、こっちから変な感覚がする。」


と言い出した。

錠前屋のオンリージョブが反応しているのか、

錠前屋がビースターだから反応しているのか、

その辺は、2人目以降のお楽しみとして・・・


「変な罠みたいなんがあるわ。

解除するから、ちょぉ待っちょってや。」


崖の下の一点にしゃがむと

どこからか鍵を取り出し、


「スキル【開城】。

あしの前にゃ、どんな鍵も罠も無力や。」


そう言ってドヤ顔した錠前屋の後ろには

隠しダンジョンのような入口が開いていた。


「錠前屋。

罠があるやもしれぬ故、先頭を頼む。

次いで、破壊僧、予言者、吾輩、大親分、仕立屋、

それから、編集者、解体屋、召喚士の順で突入する。

召喚士、今のうちに召喚獣を出しておけ。

いきなり戦闘になる可能性もある。」


ドクターが例によって仕切る。

ちなみに、今回というか

グランドクエスト中はリーダーは大親分だ。

これは彼のスキルに依る。


洞窟の中に入った俺たちを待っていたのは

魔物の群れではなく、凄まじい唸り声だった。

正直、GHギルドハンティングの時の

ピロリンピロリンの何倍もうるさい。


道に沿って、轟音の中を下に降り続ける。

一本道なので迷いようがないが、

この音には辟易する。

クエストが終わる前に難聴になるんじゃないか?


音に耐えながら、歩き続けた先に

橙の扉が現れた。

音はここから発生しているらしい。


「どうやら、ここに最初の悪魔が居るようであるな。

諸君、作戦を確認しておく。」


まず、ドクターがスキルで先手を取る。

調律師が全員に補助、仕立屋が防御力を活かしてガード。

ドクターは戦況を見ながら回復。

編集者が指示。

あとは各自で好きに攻撃。


「では、突撃する。」


ドクターの声に従って、扉を開き

中に入った俺たちを待っていたのは


『ZZZZZZZZZZZZZZZZZ・・・・・・・・・・』


「・・・」


グランドワームよりデカい亀だった。

しかも、寝てやがる。

唸り声かと思ったら、いびきかよ!!


『?

ZZZZZZZZZZZZZZZ・・・・・』


目が覚めてこっちを見たと思ったら

寝直しやがった。


『・・・あと・・・300年・・・

ZZZZZZZZZZZZ・・・・』


いやいやいや。

それ、二度寝の時間じゃないから。

単位おかしいから。

普通、300秒とかだろ!!

亀は万年って言っても、流石におかしいから!!


「召喚士、えぇツッコミや。」


「口から出てた?」


「モチのロンや。」


『うるさい。

もう少し寝かせろ。』


亀が寝呆けマナコでこっちを睨みながら

大声を出す。


『ん?おぉ。

お前らも、オレを倒しに来たのか?

だが、この大地のロイエス。

先日のようにはいかんぞ!!』


亀が手足を引っ込めると、


「【初封閃】!!」


ドクターがナイフを投げた。

戦闘開始だ。


「雷精はスキル攻撃。

水精はスキルで雷精をサポート。」


「喰らえぃ、【正拳突き・7段】!!」


「!!」


「【斥力の磁力剣】!!」


水精によって濡れたロイエスの体を雷精が殴る。

破戒僧が連続で正拳突きをする。

予言者がブレスを吐き、解体屋が磁力を帯びた剣を射出する。


「そいつは、甲羅と腹の境目に弱点があるわよ。」


編集者のスキル【観察眼】でロイエスの弱点が暴露されたが

その境目が狭すぎて、当てにくい。


「もう一丁。

【正拳突き・7段】!!」


破戒僧の正拳突きで、ロイエスの体が少しだけ浮く。


「雷精、水精、ぶち抜け!!」


「帰ってこい。【引力の磁力剣】!!」


浮いたことで、ほんの少しだけだが弱点の面積が増えた。

そこを俺と解体屋が狙い打つ。


『ぐぬぅぅぅ・・・』


手足を引っ込めたままのロイエスは

俺たちの攻撃に、文字通り手も足も出ない。

このまま押し切れる。

そう思った時だった。


『粋がるなぁぁぁぁっ!!』


頭と尻尾まで引っ込めて、甲羅ごと転げ始めた。

あれに潰される。


「お主こそ・・・

粋がるな!!」


それを止めたのは、前線で戦っていた破戒僧だった。

破壊僧は、ロイエスの巨体を

下から持ち上げていた。

さながら、天を支える巨人アトラスのように。


「皆、今のうちだ。

ワシがこいつを持ち上げている間に

最大戦力を叩き込め!!

そう長くは持たん!!」


少しずつだが、破壊僧の足元が地面にメリ込んでいく。


『最初は虫ケラか・・・

そのまま潰れろ!!』


ロイエスが破戒僧の上でクルクルと回転し始める。


「うぉおぉぉっ!!」


2人を中心に赤い液体が飛び散る。

おそらく、破戒僧の血だろう。

だったら、俺がやるべきことは


「水精を【召喚解除】。

【召喚:鋼霊】、【召喚獣強化】。

でもってぇぇぇ、【召喚獣融合強化】。」


雷と鋼の精霊が融合し、俺と同じ位のサイズになる。

しかし、これでは終わらない。

召喚獣を融合する【召喚獣融合強化】は

どんな組合せでも良いというわけではない。

召喚獣同士に相性があるのか、

できる組み合わせ と できない組み合わせ があった。

そして、全ての召喚獣の融合を試しきったところで

俺は、更なるスキルを得た。

レベルアップついでに、スキルを確認しておいて良かったと

心から思っている。

仲間を助けられるだけの力を得る事ができたのだから。


「【召喚獣再強化リ・ブースト】!!」


雷と鋼の属性を持つ、3m程のゴーレムがそびえ立った。

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