表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
PR
15/19

事件2-6 落とし物タグ

 「自分、嫁が助かったら自首します」

後ろへ流れてゆく景色に、坂下はポツリと呟いた。 タクシーが他の車の流れに合わせて前進していく中、車内の空気はきつく張り詰めていた。落とし物タグから発せられるGPSは、市内のとある雑居ビルから信号を発信している。

「ぜひそうしてください」 

私は冷淡に返した。刑務所に入れば、恐らく二度と出てこられない。だが、そんな現実を突きつけるのはまだ早い。この事件はどうなろうと、ハッピーエンドになることはない。事件の遺族、Jack、坂下、真犯人…。誰もがバッドエンドを迎える。なら、少しでもマシなバッドエンドを見つける。それが私の仕事なのだから。


 「着きましたよお客様」 

運転手の声が終わる前に、私は財布から三万円の札束をダッシュボードスッと差し出し、釣りも受け取らずにドアを開けた。

「一応警察呼んできました!栂野さん、先に行きますよ!」

星野の言葉を聞き流し、私は懐中時計を掴む。 セーブボタンを押し込むと同時にカチリ、と重い金属音が響いた。もう、これ以降には戻ることができない。ボロボロの雑居ビルの階段を駆け上がった。


 3階の、薄汚れた扉を静かに押し開ける。埃っぽい部屋の奥、ソファの上に、両手両足を縛られ猿ぐつわをつけられた女性が転がっていた。 生きている。私は駆け寄り、膝をついて縄を解こうとした。

「むぐ、むぐーっ!!」

女性の目が、恐怖に引き裂かれる。視線は、私の背後。

「後ろ!!」

振り返るとそこには、ナイフを振り上げる男の姿があった。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ