事件2-5 真犯人と正解
何度感じても慣れることがない。そんな激しい頭痛に額を右手で抑え、左手を打ちっぱなしコンクリートの壁につく。
「栂野さん!?もしかして…」
まだ激しく痛みが刺す頭を少し縦に振る。
「何かわかったんですか?」
「っ…、わかった」
少しマシになった頭痛を感じながら、小さく返事を返すと、星野と坂下は目を見開いて、
「「ほんとですか!?」」
と、嬉しそうな声をあげた。
爆弾を見下ろす私たち三人。こうしている間にも、カウントダウンは一秒、また一秒と過ぎ去る。
「で、肝心の番号は?」
星野が真剣な顔で問う。
「今日の日付だ」
星野と坂下の頭のうえにはてなマークが浮かんでいる。とにかく、私は今日の日付をパスワードとして入力した。
止まったタイマー。そして、解錠される扉。どうやら、私の推理は合っていたようだ。起爆までのズレ。そして、即席爆弾にも関わらず起爆するための電話番号が毎回同じ。これらから私が立てた仮説、それは、第三者が起爆をしている。つまり、Jackが電話をかけるとある人物の携帯に着信が来る。その着信を受け、真犯人が爆弾を起爆する。なぜそんなことをするのか。恐らく自己の責任を逃れるためだろう。モニターから私たちに語りかけてきたのも、私たちが死ぬと確信していたから。Jackと坂下は元々使い捨ての駒ということだ。
さて、爆弾を解除したところであれだが、その後のことは考えていなかった。警察に駆け込むか?いや、それでは坂下の嫁が死ぬ。居場所さえ分ければ、私が嫁を救出することは造作もないのだが…。
「ここからどうしようか…」
「考えてなかったんですか!?」
案の定、星野からツッコミが飛んでくる。
「わ、私の嫁は助かんるですよね!?」
坂下がそう焦る中、星野はにやりと笑う。
「今回は私が大活躍しちゃうかもですね〜」
「何か策があるのか?」
私が聞くと、待ってましたとばかりに星野はスマホの画面を私と坂下に見せつける。
「落とし物タグです!実は私、運ばれてる途中の車のなかで目を覚ましたんです!で、犯人が私を抱えてこの部屋に運ぶときに、こっそりタグをつけてやりました!」
今更だが、星野を雇って正解かもしれない。爆弾のことも、タグも。私たち三人は、スマホの画面を観ながら監禁部屋を後にした。




