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事件2-3 パスワード

 モニターから色が消え、あの男の声もこの部屋の空気を揺らすことがなくなると、私はJackの死体を弄る。

「そ、そんな、栂野さんはソッチの方なんですか!?ボーイズラブなんですか!?でもその人もう生きて…、抵抗されないから!?」

「お前はこの状況でなんでそんなに冷静なんだよ。てか、変な妄想を膨らせるな」

星野は今自分たちの直ぐ側で爆弾が刻一刻とタイマーを刻んでるというのに、呑気なことをくちばしる。

「というか、さっきのモニターから人が話しかけてくるの、なんかデスゲームッぽくて面白かったですね〜」

メンタルが強すぎるというのも考えものなのか、確かに、前の事件でも星野は犯人に臆することなく道を塞いだり、目の前でめちゃくちゃ言い争っているのに、呑気にドリンクバーだといっていたか。まあ、その呑気な言葉や行動に私の推理は少し進んだのだが。

「お、俺たち、死ぬんですか…?」

星野も少しは坂下を見習ってほしい。普通はこうやって何か悟ったりパニックになるんだぞ。

「大丈夫ですよ!栂野さんが守ってくれます!」

私は星野のそんな言葉を聞き流しながら、Jackが来ていた服のポケットに入っていたものを机のうえに広げた。


 Jackのポケットには四つ折りになった一枚の紙が入っていた。その上を広げると、「パスワードはJackが初めて爆弾を起爆した日」と書いてあった。これはおそらく、先ほどモニターからこちらを観測していたあの男が仕組んだものだろう。

「坂下さん、あなたはJackの初めての犯行日をしってますか?」

私がそう聞くと、坂下は唇を緊張で震わせながら答えた。

「えっと…、たしか、3月4日です…」

「星野、0304だ」

「ええ!?私が入力するんですか!?」

「私が入力して、私が死んでしまったらロードできないから」

私は懐から懐中時計を取り出すと、すぐにボタンを押せるようにボタンに指をかける。

「ええい!」

星野が番号を入力すると、タイマーの画面にErrorのと表示されるが、幸い爆発はしなかった。

「坂下さん、初めての犯行日は本当に3月4日で会ってるんですか?」

「あ、会ってるはずです!!Jack自身もそう言ってましたし、ニュースでもやってたのでお二人も娘も存知のはずです!!」

「初犯行の日、3月4日であってると思います。館長が図書館の警備員を増やすか検討してました」

星野が落ち着いた甘い口調で私に告げる。

「じゃあ星野、次は3434でやれ」


 3月4日から連想できる4桁のパスワードをありったけ入力したはずだが、ついにパスワードを見つけることができず、残りの時間は一分になった。私は黙って懐中時計のボタンを押し込んだ。

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