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第81話 核の窓 ―拓の内側― 第5話 核の開き方

1. 曝されるということ


純の小説が炎上した時、拓は思った。


(曝された。俺の秘密が、誰かの目に触れた。秘密というのはフェチのことではない。殻に隠していた内面の核のことだ)


(怖い。でも――それでよかったのかもしれない)


(「わからない」と言い続けることを、やめられる)


拓は、その時初めて、自分の「核」を完全に開いたわけではなかった。でも、少しだけ、隙間を開けた。そこから、外の空気が入ってきた。それが、新鮮で、少しだけ痛かった。


2. 書くことへの回帰


フリーランスのライターになってから、拓は久しぶりに「書くこと」を始めた。短いエッセイから。誰にも依頼されず、自分だけで楽しむためのものだった。


書いているうちに気づいた。昔は自分ではない誰かに言葉を預けていた。演劇の脚本も、裏アカウントの投稿も。でも今は、自分の言葉で自分のことを書いている。照れくさいが、自然だ。


つまり、ずっと自分の内面を出してはいた。それが今、剥き出しの表に出てきている。そのきっかけを作り、引っ張り出したのは純だった。


純は、裏アカウントを知る前から、俺という人間の表面から漏れ出る「違和感」を感じていた。そして、あの0.5秒でそれが確信に変わった。彼女は、俺がまだ自分でも気づいていなかった「物足りなさ」を、いち早く嗅ぎつけたのだ。


拓は、この時ようやく自分の「核」の正体に気づいた。


(俺の核は、強さではなかった。むしろ、脆さに近い。でも、その脆さを認め、受け入れ、その上で「書く」ことを選んだ。それが、俺の核だった)


(それは決して強くはない。でも、奥深さを知るがゆえの強さがある)

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