66/113
第66話 彼女の傍観者―もう一つの視線― 第12話 瞳の下で
その頃、瞳は一人、リビングにいた。
スマホが震える。
見知らぬ番号からのメッセージ。
開く。
そこには、康介からのメッセージが――。
読み終えた時、瞳はしばらく動けなかった。
――この人は……。
でも――何かが引っ掛かる
指が、無意識に返信画面を開いていた。
何を書こうとしているのか、自分でもわからない。ただ、何か返さなければという強迫観念のようなものが、指を動かしていた。
「……」
結局、何も書けなかった。
打ちかけた文字を消し、スマホを置く。
でも、そのメッセージは削除できなかった。
スクリーンショットだけを撮り、隠しフォルダにしまう。
――なぜ、保存したのか。
その理由を、瞳は自分でも問わなかった。




