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第64話 彼女の傍観者―もう一つの視線― 第10話 自意識の檻

康介は、自分の部屋にこもりがちになった。


窓の外の景色を見ながら、彼は考える。


「俺は、全ての元凶なのか?」


答えは出ない。


でも、彼はその「わからなさ」に耐えられなかった。


人は、無力でいることに耐えられない。

何もできなかったと認めるより、自分が原因だったと思いたい。


それが、歪んだ自己救済だった。


「そうだ、俺が悪いんだ。俺が見ていたから、こんなことになったんだ。」


そう思うことで、彼は救われた。

無力な自分ではなく、原因を作った自分でいられる。その歪んだ自己救済が、彼をさらに深い闇へと導いていた。


「ただの元夫」ではなく、「全てを見ていた男」になることができる。


それは、彼自身を守るための、最後の砦だった。


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