表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
49/113

第49話 彼女の均衡 ―抗う者たち― 第1話 核の形成

前回のお話、お読みいただきありがとうございます。まだまだ、話は展開していきます。

【プロローグ:見えない重心】


その日、拓は窓の外を見ていた。


都会の夜景。無数の光。それぞれの下で、誰かが生きている。誰かを愛し、誰かを傷つけ、誰かに見つめられている。


隣で瞳が寝ている。穏やかな寝息。


この静けさは、誰かの「踏ん張り」で成り立っている。自分も、瞳も、純も、康介も、Eも――それぞれが、見えないところで踏ん張っている。


気づかれないように。

誰にも言わずに。


それが、この世界の均衡だ。


---


【第1章:核】


拓が初めて「核」を意識したのは、中学生の時だった。


クラスでいじめが起きていた。ターゲットは大人しい男子生徒。毎日、机が廊下に出すされ、教科書に落書きがされていた。


拓は何もしなかった。見て見ぬふりをしたわけではない。ただ、「ああいうこともある」と思っていた。


ある日、いじめの首謀者が拓に言った。

「お前、あいつのこと、どう思う?」


拓は少し間を置いて、答えた。

「別に」


「別にって、かわいそうとか思わないの?」


「思わない。でも、お前がやってることも、別に」


首謀者は何も言えなかった。


その時、拓は気づいた。自分の中に、何かを「判断しない」部分がある。何があっても揺るがない、言葉にできない何かが。


それが「核」だった。


社会人になって、彼は「ブランディング」という技術を身につけた。仕事ができる印象。頼りになる先輩。冷静な判断力。それらはすべて、彼が演じる「ブランド」だった。


でも、その奥には、あの「核」があるだけ。


多くの人は「ブランド」だけを見て通り過ぎる。でも、ごく稀に――その奥を嗅ぎつける者がいる。


※『彼女の計画_外伝』影たちの物語をお読み頂くとより作品の深みを味わうことができます。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ