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第34話 彼女の視線 第8話 “本当のこと”を言えなかった

前回のお話、お読みいただきありがとうございます。まだまだ、話は展開していきます。

それから一週間後、純の元に小野寺から連絡が来た。


「『彼女の計画』、最終話まで読ませていただきました。すぐに分かりましたよ、あなたが書いているって」


純は、観念した。


「……はい。私です」


「やっぱり。で、本題なんですが、ぜひこの連載を単行本にしませんか?」


純は、息を飲んだ。


「でも、これは匿名の――」


「構いません。実名でなくても、作品の価値は変わりませんから。それに、もしこれがある程度ノンフィクションだとしても、登場人物の実名がなければ問題ないでしょう? 法的には」


小野寺の声は、冷徹だった。


「ただ……」


「ただ?」


「帯には、『実話を基にした衝撃のノンフィクション』って入れましょうか。それか、『著者自身の壮絶な体験』とか。読者は、真実かどうかを知りたがっている。『実話かもしれない』という曖昧さが、一番売れるんです」


純は、背筋が冷たくなるのを感じた。


「でも、それは……事実を誇張するような」


「事実はどうでもいいんです。読者が求めているのは、『あなたが誰かを傷つけてまで書いた』という熱量だ。その熱量が、作品に命を吹き込む」


小野寺の言葉は、ナイフのように鋭かった。


「考えさせてください」


電話を切った後、純は長い間、窓の外を眺めていた。


沙織の言葉が蘇る。「本当に大切なものを、自分で壊さないで」


小野寺の言葉も蘇る。「事実はどうでもいい。読者が求めているのは熱量だ」


――私は、何を選ぶべきなのか。


そして、いよいよ対決へ。

※『彼女の計画_外伝』影たちの物語をお読み頂くとより作品の深みを味わうことができます。

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