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嘘告白された後、学校で指折りの美少女である女友達と幼馴染から猛烈なアタックが始まった  作者: 白金豪


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82/103

82話 過去に聞いた言葉


 一輝は羽矢と莉菜と並んで帰路に着く。一輝は真ん中で羽矢は右、莉菜は左といったポジションを取る。羽矢と莉菜は相変わらずスタイル抜群で、大きな胸も制服越しから強調される。


 一輝達はいつも通り帰り道を進む。


 だが、羽矢は普段と様子が異なり、考え込むような顔をしていた。


「どうしたんだ?増本らしくない顔して」


 一輝は歩きながら、隣の羽矢に対して不思議そうに尋ねる。


「ああ。ちょっと考え事があってな。正直、悩んでるんだ」


 羽矢と一輝の目が合う。羽矢の瞳は揺れており、困った顔ような顔を浮かべる。実に羽矢らしくなかった。


「どうしたの?何か困ったことがあるなら教えて。相談に乗るよ」


 莉菜は心配そうに視線を向ける。


 同様に、一輝も気に掛ける素振りを見せる。


「・・・」


 羽矢は俯きながらしばらく黙っていた。だが、意を決したように口を開いた。


「私の趣味は2人共知ってるな?インターネットでライトノベル系の小説を読むことだ。他にもライトノベルの書籍も読むな」


 羽矢は重たそうに口を動かす。


「うん。十分すぎるくらい知ってる」


 一輝は大きく首肯する。


「その趣味はオタク的な趣味なのだろうか?多くの人から引かれる趣味なのだろうか?」


 羽矢は神妙な面持ちで疑問を呈する。その際、羽矢の顔は悲しそうだった。さすがの彼女も多くの生徒達に引かれたような態度をされ、心に傷を負ったのだろう。


 羽矢の問いに、一輝と莉菜はすぐに答えを提示できなかった。


「すまない。難しいことを聞いてしまったな。忘れてくれ」


 羽矢はなぜか謝り、話を終わらせようと試みる。


 数分間ほど、静寂な空気が3人の間に生まれた。3人とも居心地が悪そうに1言もしゃべらなかった。


「俺は増本にどんな出来事があったかわからない。でも、おそらく何かしらがきっかけで悩んでいると思う」


 一輝は慎重に言葉を選び、重い静寂を破った。そこまで結構な勇気を必要とした。


 そのおかげで、羽矢と莉菜の視線が一輝に一点集中する。


「でも間違いなくこれだけは断言できる」


 一輝は意図的に間を作る。


 羽矢と莉菜は次の言葉をひたすら待つ。


「人の趣味を引いたり、もしくは悪く言ったりするのは問題だということはね」


 一輝の言葉には重みがあり、説得力があった。


「どんなものを趣味にしようとそれは個人の自由だと思う。まあ、犯罪に繋がる趣味は論外だけど」


 一輝は感じたことをそのまま言語化しただけだった、決して深く考えたわけではない。そんな凄技、彼にはできないのだ。


 そこで、羽矢は目を大きく見開いた。どうやら、一輝の言葉に反応したようだ。


「私もそう思う!」


 莉菜は一輝の言葉に同意を示す。


「かずくん、珍しくいいこと言うね!」


 莉菜は嬉しそうに一輝を褒める。まるで自分のことのように嬉しそうだった。


 羽矢がはっとしたのには理由があった。彼女は先ほどの一輝の言葉を過去に聞いた経験があった。


 一輝も羽矢もまだ幼かった何年か前に。 

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