↓ ↑ページトップへ
表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
嘘告白された後、学校で指折りの美少女である女友達と幼馴染から猛烈なアタックが始まった  作者: 白金豪


この作品ページにはなろうチアーズプログラム参加に伴う広告が設置されています。詳細はこちら

PR
70/103

70話 出店


「おっ。出店が出てるぞ!!」


 羽矢がご機嫌な口調で指を差した。彼女の指の先には複数の出店が並んでいた。


「そうだな。おそらく、3年生やPTAの保護者が提供しているやつだろう」


 一輝は出店らを視認し、羽矢に説明する。彼の言う通り、西城高校の制服を着た生徒達がいる出店もあれば、明らかに社会人の女性が働く出店もあった。数的には生徒達が働く出店の方が多かった。3年生はどこのクラスも出店を出さなければならないため、当然だろう。


「美味しそうな匂いがするぞ。行って何かを買ってみないか!」


 羽矢は振り返り、一輝と莉菜を視界に捕まえる。


「ああ。俺も構わないぞ。俺も何か食べたかったところだ。莉菜はどうだ?」


「うん。私も同じ気持ちだった」


 莉菜は問い掛けに答え、頷く。


「よし!じゃあ、私は先にいち早く出店に向かうぞ!!」


 羽矢は視線を外し、早歩きで多くの生徒が立ち並ぶ出店に向けて進む。


「行っちゃったな・・・」


「うん。相変わらず行動が速いね・・・」


 一輝と莉菜は羽矢の背中を見つめながら、それぞれの感想を口にする。


 一方、羽矢は彼らの心情など関係なしに、どんどん前に進んでいる。


「あの、莉菜。最近は何ていうかごめんね。文化祭の準備とはいえ、一緒に帰れなくて。もしかしたら、寂しい思いをさせてしまったかもしれない・・・」


 一輝は莉菜と決して目を合わさず、歯切れの悪い口調で謝罪を述べる。明らかに、ぎこちの悪い謝罪だった。素直ではないのかな、それとも恥ずかしさからか、微妙な感じがする。


「あっ、かずくん。謝らなくてもいいよ。しょうがないことだったんだから。それと、私こそごめん。さっきは不機嫌になっちゃって。かずくんと一緒に帰れなくて、寂しくてストレスが溜まってたんだと思う。それを、表に出すなんて子供っぽいことして」


 莉菜はあたふたと両手をばたつかせた後、居心地の悪そうな顔をした。おそらく、本人も思わず取ってしまった行動だったのだろう。時間が経ち、心が落ち着き、自身の行動を反省しているのだろう。


「いや、俺に問題があったんだよ。たまには、一緒に帰ったり、他にもできることはあったはずなんだよ」


 一輝は俯きながら、反省の言葉を述べる。沈んでいるような表情だった。


「でも、過ぎ去ったことはしょうがないと思うんだ。だから、今度から莉菜を寂しい気持ちにさせないように努めるよ。それと、今日から一緒に帰ろうな!」


 一輝はようやく莉菜に視線を移動させ、安心させるように笑顔を作った。これは彼の配慮だった。


「うん!!」


 莉菜は嬉しそうに首肯した。満面の笑顔を浮かべながら。


「それと、さっきの言葉覚えといてよ!言質取ったからね!」


 莉菜は揶揄うように一輝の肘を小突く。


「げ、あんな言葉を言質に取るのかよ・・・」


 一輝はぎょっとする。想定外の幼馴染の言葉だった。


「それと、そろそろ出店で増本が何かを購入しそうだな」


 一輝は出店の方を指差す。彼の言う通り、羽矢は列の前列まで来ていた。


「あ、本当だね。私達も早く向かってどこかの出店に並んだ方が良さそうだね!でないと、増本さんを待たせてしまう羽目になりそうだね」


「だな!」


 一輝と莉菜は見つめ合い、にこっと笑い合うと、同時に駆け足で出店が設置された場所へと走る。楽しそうに、人ごみの多い場所を目的地として。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。