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嘘告白された後、学校で指折りの美少女である女友達と幼馴染から猛烈なアタックが始まった  作者: 白金豪


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64話 いじめられているバスケ部員


 一輝が葛原と約束して1週間が経過した。


 一輝は文化祭の準備のため、今日も放課後に学校に残っている。


 そして、出し物のカフェに必要な紙コップなどを買うために、買い出しに出ており、現時点で帰っている最中だった。


 その証拠に、一輝の右手には紙袋やガムテープが詰まったレジ袋がある。


 あれから交わした約束の効果もあって、山田への嫌がらせは無くなった。


 今では山田の私物が隠されることはない。そのため、文化祭の準備は支障もなく順調に進行していた。


 だが、一輝や松本に弱みを握られている葛原、杉浦、湾内は以前より居心地が悪そうだった。


 いつ、自分達が嫌がらせを事実が情報として拡散されるのをびくびくしているようだった。


 一輝や松本は決して録音した音声データを拡散させる気は皆無なのにも関わらず。


 だが、葛原達は少なからず不安を感じているのだろう。


 だが、それもこれも紛れもなく彼女達の行いが招いた不幸である。


 これはもうどうしようもない。自業自得である。


 一方、山田は不安や恐怖から解放されたためか。以前よりも意欲的に文化祭の準場に関与するようになった。まるで、溜まっていた鬱憤やストレスを解消するかのごとく。


 一輝は気になって、葛原達が山田に謝罪したのかを松本に聞いた。松本の方が少なからず、自分自身よりもクラス内の情報を保持していると思ったからだ。


 しかし、松本もそれに関しては知らなかった。そういう情報はクラス内に蔓延していないらしい。


 だが、松本が言うには、今はダメかもしれないけど、時間が経てば謝罪の可能性はあるという。時間が経つと、徐々に罪悪感が生まれる可能性がある。そして、その罪悪感はどんどん強くなっていく。松本は一輝の前でそう口にした。


 一輝は黙って松本の言葉を受け入れた。


 何も考えずに歩を進めていると、いつの間にか西城高校の正門に到着した。


 一輝は慣れた足取りで正門を通過する。普段、登校と下校で利用しているため、通る際に躊躇うことなど皆無。


 一輝の目の前に体育館が映る。丁度、正門の目の前に体育館が設置されているのだ。


「よ〜し!今日も肩パンとチンパンだな!!両方、5回ずつなー」


 バスケウェアとパンツを身に付ける男子生徒2人が体育前にいた。1人は170センチほどの背丈をした色白で目がぱっちりした男子。もう片方は、背丈が160センチ前半で弱々しくスポーツをするには細い体格をした男子。


 ちなみに、体育館から漏れる声から察するに他の部員は既に館内に入っている様子だった。


「う、うん。わかった・・・」


 背の低い男子生徒は俯き、決して目を合わせずにぎこちなく頷く。


「お〜。素直じゃないか。でも、まぁ毎日受けてるもんな。それに、お前ドMだもんな!俺に攻撃されて嬉しいもんな!!」


 その言葉に背の低い男子生徒は笑みを浮かべた。しかし、その笑みは良いものではなく、明らかに苦笑いだった。


 一輝はすぐに理解した。だが、背の高い男子生徒は全く気づいていない。


 一輝はその鈍感さにまず苛立ちを覚える。


「よっしゃ!行くぞ!!おらっ!!!」


 背の高い男子生徒によって背の低い男子生徒は肩パンを受ける。


 ぱんっと当て感の良い音が一輝の耳を刺激する。


「ぐっ・・・」


 背の低い男子生徒は呻くように声を漏らしながら、殴られた肩の一部を手で押さえた。苦痛に耐えるように下を向きながら、歯を食い縛る。


「おいおい。また終わってないからな?次行くぞー」


 背の高い男子生徒は楽しむようにぐるぐると右腕を回す。そんなに人を傷つけるのが楽しいのだろうか。


「おい!お前ら何やってんだ!!もう、練習始まってるぞ!!」


 1人の高身長の男子生徒が体育館の戸から姿を現し、苛立った口調で2人を注意する。額には青筋が浮いている。


「は、はい!?わかりましったぁ!すぐに行きますぅ!!」


 背の高い生徒はビクッと肩を震わせると、焦った表情で答えた。


「おい!お前も行くぞ!!それと、まだ終わってないからなー!」


 背の高い男子生徒はそれだけ残すと、体育館にダッシュで入って行った。


 背の低い細い男子生徒は肩の一部を押さえたまま、黙っていた。


 一輝はその光景を正門の近所で静かに見つめていた。


「ちっ。なんで他の部員はいじめが起こっていることに気がつかないんだよ・・・」


 一輝は舌打ちをし、怒りを発散するようにそこら辺で転がる石ころを全力で蹴った。


 その結果、石ころがごろごろと2メートル程の距離を進む。


 一輝は黙々と歩き始める。体育館の横に沿いながら進む。


 背の低い男子と距離が縮まると、一輝はちらっと彼を一瞥した。


 彼も肩の痛みが引いたのか。顔を上げ、体育館の中に向かう途中だった。


「・・」


 一輝の視線に勘づいたのか。背の低い男子生徒が一輝に目を向ける。一瞬だけ目が合った。


 だが、一輝は逃げるように目を逸らした。多少なりとも居心地の悪さを感じた。


 一輝は男子生徒を視界から完全に外し、教室に戻るために昇降口へと進む。


 買い出しで購入した品を右手に提げながら。

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