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嘘告白された後、学校で指折りの美少女である女友達と幼馴染から猛烈なアタックが始まった  作者: 白金豪


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65話 報告


 一輝は買い出しから教室に戻った後も、文化祭の準備に参加した。


 一輝が自主的に協力したいと思った上、他のほとんどのクラスメイトが未だに準備もしていたのも大きな要因だった。


 1人だけ気軽に帰れる空気ではなかった。


 一輝が準備に参加して、1時間ほど経過してお開きになる。ほとんどのクラスメイトが簡単な片付けをし、教室を後にする。


 一輝も片付けを終えると、帰る支度をして教室を1人で退出する。


 今日も羽矢と莉菜には文化祭の準備で放課後に残ると伝えている。ここ最近、放課後に残る日が続いているため、一緒に帰れていない。


 一輝はいつものように昇降口に向かわず、職員室へと続く道に進んだ。


 階段を数10段上がり、輝かしく電気の点く職員室前に到着する。


 一輝はふ〜っと息を吐くと、コンコンコンッと戸をノックする。


「失礼します」


 室内からの返事を待たず、職員室に足を踏み入れる。


 一輝に多数の教師からの視線が注がれる。しかし、それも一瞬のことで、すぐにそれらの視線は一輝から外される。


 教師達は仕事で忙しいのか。皆が机に腰掛けて業務に取り組む。パソコンのタイピングや小テストのまるつけ、書類の確認など様々な業務を行なっている。


「竹内先生・・・」


 一輝は担任の名前をやや大きな声量で口にする。それから、呼んだ人物の座る机に歩を進める。


「おおっ。朝元か!こんな時間にどうしたんだ?」


 竹内はやや驚いた面持ちで、右手を頭上に上げる。


 竹内は数学の教師であり、一輝のクラスの担任でもある。


「お忙しい中、すいません。ちょっとお時間宜しいでしょうか?」


 一輝は敢えて下手(したて)に出る。教師は忙しい。しかも、今は放課後である。疲れやストレスが蓄積している可能性がある。そのため、少しでも気分を害させないため、担任にリスペクトを表した。


「あぁ。いいぞ!」


 竹内は嫌な顔せず、了承する。


「それと、ちょっと大事な話なので。今現在、誰もいない職員室の外でもいいですか?」


「ああ。なるほど」


 竹内はちらっと周囲を見渡し、納得いったように頭を何度か縦に振る。


 教師達は皆、それぞれ自身の業務に打ち込んでいるが、一輝の話が聞こえないわけではない。


「わかった。大事な話なんだな」


 竹内は席から立ち上がると、一輝と共に職員室を出た。一輝の最低限の人にしか聞かれたくないといった気持ちを推量し、汲み取ってくれたのだろう。


「ありがとうございます。気を遣っていただいて」


 一輝は廊下で竹内にお礼を述べる。


「いいよ。そんなに畏まらなくて。大したことじゃないし。それで、大事な話っていうのは?」


 竹内は軽い口調で応答するなり、表情を真剣なものへと変貌させる。


 さすが、教師。生徒の大事な話には真摯に対応する素振りを示す。


「話は俺に関することじゃなくて。この学校の男子バスケ部に関することなんです」


「なに?それはどんな内容だ?」


 竹内は顔をしかめ、即座に疑問を投げ掛ける。


 竹内は男子バスケ部の顧問だ。そのため、男子バスケ部に関する大事な話。食いつかないわけがない。


「はい。男子バスケ部で背丈が170センチ前半で目のぱっちりした部員がいませんか?」


 一輝は脳内で当時のいじめていた男子生徒の顔を思い返し、言語化する。


「あぁ。寒川(さんかわ)か。寒川悟か・・」


 思い当たる節があるのだろう。竹内は合点がいったように頭を往復させる。


「その寒川という男子部員が1人の背の低い男子部員を体育館前でいじめていたんです」


 一輝は畳み掛ける。保持する情報を勿体ぶらずにアウトプットする。


「なんだと!それは本当か!!」


 竹内は目をギョッとし、驚いた声をあげる。思わず出た反応のように見えた。


「はい。この目に映ったので間違いありません」


 一輝は決して笑みなど露わにせず、ただ無表情で首肯する。その顔からバスケ部内でのいじめを深刻に捉えているのが容易に想像できる。


「もし、時間がありましたら、部活開始前の体育館の入り口に足を運んで見てください。そうしたら、寒川が実行するいじめの光景が目に映ると思いますよ。では、俺の話は以上です・・」


 一輝は感謝を示すために軽く頭を下げると、踵を返す。流れるように歩き始める。


「お、おい!ちょっと待て」


 竹内が歯切れの悪い口調で制止する。あまりにもあっさりした一輝の行動に少なからず動揺したのだろう。


「なんですか?」


 一輝は足を止め、振り返る。その途端、廊下に響く足音が消える。


「どうしてお前がバスケ部内で起こる問題を俺に伝えたんだ?バスケ部でないお前にとって無害で全く関係ない事柄なはずだろ」


「あぁ。それは・・・」


 一輝は意図的に言葉を区切る。


「許せなかったんですよ。弱い奴を攻撃していじめをしている奴が。そして、誰も気付いていなさそうな事実が」


 一輝は冷たいトーンで告げる。


「それでは、失礼します。お時間を取っていただき、ありがとうございました」


 一輝は再び頭を下げると、止めた足を進み始めた。今後、竹内がいじめを解決することを願いながら。

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