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嘘告白された後、学校で指折りの美少女である女友達と幼馴染から猛烈なアタックが始まった  作者: 白金豪


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53/103

53話 言えない


「あの・・ありがとうございました・・・」


 美月は落ち着かない様子で松本にお礼を述べる。


「お礼なんていらないわ。だって、私はあなたに救われたんだもの。そのあなたが困っていたなら助けるのは当然だわ」


 松本は美月と並んで歩きながら、優しい口調で諭す。


「あの〜。申し訳ありませんが、お名前を教えていただけませんか?」


 美月は子犬のようにおそるおそる聞く。


「私は松本比奈。あなたのお兄ちゃんと同じクラスの女子よ。あなたの名前は?」


「朝元美月と言います。おにぃと同じクラスだったんですね。兄がお世話になっております」


 美月は会釈するように軽く頭を下げた。


「っ!?」


 美月の丁寧な対応に顔を歪める松本。非常に居心地の悪そうな表情である。


 おそらく、自身が美月の兄である一輝に対して行った仕打ちを思い出し、後悔しているのだろう。


「どうかしたんですか?」


 松本の異変に反応する美月。敏感に様子の変化を察知したようだ。


「・・・私は、私は朝元君の妹さんに頭を下げられるような人じゃないのよ。本当に」


 松本は明らかに気分が沈んだ人みたいに俯きながら、ぽつぽつと言葉を紡ぐ。


「それって・・・どういうことですか?」


 美月は硬い表情で問う。まるで面接官に問い詰めれているときのような面持ちで。


「それは・・・現時点では教えられないわ」


 松本は美月に視線を向けず、地面を直視したまま答える。松本の身体の周囲には負のオーラが漂う。


「どうしてですか!」


 美月は簡単に引かずに食い下がる。隣で歩く松本に少しだけ距離を詰める形で。


「ごめんなさい・・。教えてしまうと絶対にあなたをひどく傷つけてしまうから」


 松本は申し訳なそうに弱々しい目で美月を見つめた。


 美月は松本の態度に明らかな戸惑いを示す。その証拠に美月の両目の瞳は落ち着かずに右左を行き来する。


「わかりました」


 美月は神妙な面持ちで頷いた。松本の胸中を推量した結果なのだろう。


「ですが、もし話せる時が訪れましたら、私に教えてくれませんか?」


 美月は松本の瞳を覗き込む。そして、黙って松本の返事を待つ。


「わかったわ。そのときが来たら必ず話すわ。あなたには絶対に聞いてもらう必要があるから」


 松本は不器用に笑みを浮かべた。


「それと、今日から松本さんを比奈さんって呼んでいいですか?私のことも美月と呼んでください!!」


 美月は照れたように頬を赤く染めながら言う。


 どうやら、美月は下の名前で呼び合う仲になりたいらしい。


「いいわよ。・・よろしくね。美月ちゃん」


 松本はぎこちない返事をしながら、顔を合わせた。それから、薄く微笑み合った。


「それにしても、比奈さんってお強いんですね。何か武道を習っていたんですか?」


「やっていたわ。小学校1年生から中学3年生まで合気道を習っていたわ」


 松本は顔色1つ変えず、クールに対応する。

 

「へぇー!凄いですね!!私、武術とか全然経験したことないですし、尊敬します!」


「そんな大層なものでもないわ。ただ単に長くやっていただけよ」


 美月と松本は2人で仲睦まじく会話をしながら、住宅地に面した道を進む。


 美月が積極的に話を振るうちに、松本も少しずつ自身から話をし始めた。


 その後、2人は別れるまで会話に勤しんだ。



⭐️⭐️⭐️

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