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嘘告白された後、学校で指折りの美少女である女友達と幼馴染から猛烈なアタックが始まった  作者: 白金豪


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45/103

45話 話す


 あの後、一輝は強引に手を引っ張り、松本を自身の自宅へと連行した。どうすればいいかわからず自然と身体が動いて取った行動だった。


 そのため、現在、彼らは一輝の自室に身を置いていた。ちなみに、2人は床に座っている。


「どうして車に轢かれて死のうとしたの?」


 一輝は長く続いた沈黙を破り、変に刺激しないよう優しい口調で問う。


「・・・」


 松本は応答しない。ただ俯き、じっと床を見つめているだけだった。


 しかし、数秒後、松本は口を開き、居心地の悪い静寂で重い空気を破った。


「ふっ。・・さっきも道路近くで言ったでしょ。学校はつまらなくて、好きだった人にも振り向いてもらえず、大切に扱ってもらえなかったから。だから、生きるのが辛くて、死のうと思ったのよ・・・」


 松本は決して一輝に視線を向けず、吐き捨てるように理由を説明する。先ほど涙を流したためか、目はわずかに腫れている上、充血もしていた。


「その好きな人は片山君のこと?」


 一輝は頭に浮かんだものをそのまま言語化して探りを入れる。


「・・・」

  

 松本は答えない。しかし、その無言が暗に肯定を示していることを一輝が理解するのにそう時間を要さなかった。


「図星みたいだね」


 一輝は無意識に憐みの表情を浮かべた。そして、そんな自分が嫌になったのか、すぐに首を振ってその顔を引き締める。


「どう解釈してくれても構わないわ。どうせ私の気持ちなんてわからないでしょうし」


 松本は冷たく言い放つ。


「そうだね。僕にはわからないよ」


 一輝は正直に答える。


「それと、そろそろ帰ってもいい?こっちは無理やり連れて来られてこんなところにいるんだから」


「・・・俺の家から出てどうするつもり?」


「今度こそ死ぬのよ。こんな苦しい生活から逃げるためにね」


 松本は立ち上がり、座っている一輝を見下す態度を示した。


「今日で解放されるのよ。苦しい苦しいこの生活から・・」


「それはダメだよ!」


 一輝は声を上げて立ち上がる。松本の言葉を聞いて、感情を抑えられなくなったのだ。


「なによ!あなたには関係ないじゃない!!だから、もう私の邪魔はしないでくれない!!」


 松本は一輝を睨みつけながら怒鳴った。


「確かに、松本さんにとって俺は関係のない人間かもしれない。でも・・・。」


 一輝は両拳を強く握り締めて、立ち上がる。


「松本さんが死んで悲しむ人のことを考えたの?松本さんが死んで悲しむ両親や親戚の人達のことを考えたのか!」


 一輝も負けじと声を張り上げる。一輝は強い気持ちを乗せて言葉を紡いだ。


 一輝の思いが伝わったのか。松本は何かに気づいたかのように大きく目を見開いた。


「う、うるさい!うるさい!!関係ない奴が好き放題言わないで!!!」


 松本は涙声で叫んだ。


「それに私が死んでも誰も悲しまないわ。そう。そうよ。両親も親戚も絶対に悲しむわけがない!!」


 松本は狂ったように頭を左右に強く振った。激しく取り乱している。


「本当にそう思っていますか?」


 突如、諭すような女性の声が生まれた。その声はもちろん松本のものではない。


「・・・美月・・」


 一輝はドアの辺りを視認して声の主の名前を口にした。


 そこにいたのは一輝の妹の美月であった。


「本当にそう思っていますか?あなたが死んだら、両親や親戚の方は決して悲しまないと思いますか?自分に聞いてみてください」


 美月は松本に優しく問いかけた。


 松本は何も答えようとせず、ただ黙っているだけだった。


 だが、徐々に瞳が潤み、ポロポロと涙が流れた。


「うん。・・・。違う。お父さんやお母さんは悲しむと思う。だって私、・・たった1人のお父さんとお母さんの娘・・・だから。それと、親戚の人も・・」


 松本は顔を両手で覆って、床に両膝を落とした。松本の啜り泣く声が一輝の自室全体に行き渡る。


「・・・おにぃ。私はこれで失礼するね」


 美月は一輝に小さく微笑んでから、部屋を出た。気を遣っての行動に見えた。


「おぅ」


 一輝は妹のヘルプに感謝しつつ、松本が落ち着くまでしばらくの間、待つのだった。


 その時間は一輝にとって短いようで長かった。



⭐️⭐️⭐️

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