42話 プール
一輝達は県内で有名なプールに来た。
夏休みということもあり、プール内は多くの学生らしき人達でいっぱいだった。
一輝は羽矢と莉菜に電話をし、美月も一緒にプールに行って良いかの可否を尋ねた。
2人共、謎の間を作った後、快く了承した。
そして、今に至る。
一輝はわーきゃーと声が響く、プールの付近で羽矢達を待っていた。先に水着に着替えたため、待つ形になっている。
「おにぃ!お待たせ!!」
羽矢、莉菜、美月が一輝の元に歩み寄る。
羽矢と莉菜は共にビキニタイプの水着を身につけていた。羽矢は大人っぽい上下黒の水着、莉菜は上下水色の水着である。
2人共水着から理想的な形をした豊満な胸が強調されている上、適度に健康的な色をした艶かしい肌も露出している。
一方、美月は白のワンピースタイプの水着を身につけており、彼女の小さな胸は羽矢と莉菜に比べると存在感の薄さが際立つ。
美月も劣等感を感じているのか。ちらちらと羽矢や美月の胸に視線を向け、自身の胸と見比べるなり、あからさまにへこんだ顔を示す。
そんな3人の格好を見た一輝の反応は──
(・・これは、目のやり場に困るな)
一輝は胸中で苦笑いを浮かべる。
だが、男としては当然の感想だろう。
なぜなら、世の中に早々いない美少女3人の水着姿を生で見れているのだから。
それに2人は巨乳でスタイル抜群の女子高校生であり、残りの1人は中学生でスタイル抜群ではないが、年相応の女性らしい身体をしている。
3人とも、世の男性なら誰もが振り向くであろう美少女揃いなのだ。
これで反応せず高揚感を覚えない方がおかしい。
現に周りにいる他の男子達がチラチラと3人を見ている。中には興奮しすぎて鼻血を出している。ある男子達はものすごい迫力で隣の女子から睨まれている。おそらくその女子は彼女なのだろう。我にかえった彼女持ちの男子達は揃って居心地が悪い素振りを見せた。
「かずくん。大丈夫だった?変な女の人に声と掛けられたりしなかった?」
一輝の沈黙する様子を見て、心配そうな表情を見せる莉菜。
「・・いや、それは大丈夫だった」
一輝は淡々と答える。いささか、自分には全く魅力がないのではないかと思ってしまう。
「本当に?」
「おにぃ・・・嘘ついてないよね・・」
莉菜だけでなく美月もなぜか一輝にジト目を向ける。
「いや、本当だよ。てか、嘘ついてどうするんだよ」
一輝は首を左右に振った後、率直な疑問を口に出す。
「それに俺に声を掛ける女の子っていないと思うぞ」
そう言いながら、一輝は自分を見つめる3人に対して本音を告げる。
すると、3人が一様にキョトンとした表情になる。
「おにぃ・・・それ本気で言ってる?」
「かずくん。それ絶対にないから。ありえないからね」
「ああ。それは間違えている」
「えっ!?なんでだ!?」
予想外の言葉に思わず動揺してしまう一輝。
3人からすれば一輝の発言はあり得ないことだったのだ。だが、一輝にはなぜあり得ないのかが理解できない。
「この様子だと、かずくん完全にわかってなさそうだね」
「そうみたいですね」
「まぁ、朝元らしいんじゃないか」
3人はなぜかうんうんっと頷いて同調する。
一輝は3人の行動が不可解であり、気掛かりであった。
「そろそろプールで楽しまないか?」
比奈の言葉を合図に莉菜と美月も歩を進める。
一輝はその光景を視認すると、「ちょっと待ってよ。どういうことか説明してよ」と声に出しながら、早歩きで彼女達3人の後を追った。
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