40話 夏休みの前の日
あれから白雪の兄は傷害罪で警察に捕まった。
航平の両親が警察に事実を話したことで調査が始まり、最終的に犯人として白雪の兄が特定された。
白雪の兄は素直に犯行を認めたらしい。
一方、航平はというと。
白雪の兄の暴行により、腕や胸の骨が折れ、入院を余儀なくされた。
現在では、退院したらしいが、精神的ショックから立ち直らず、長い間不登校のままらしい。
そして、今日は夏休み前日。生徒たちは朝から浮き足立っている。明日から始まる夏休みが待ち遠しくて仕方がないのだろう。
終業式、ロングホームルームと順に終了し、本日最後であるショートホームルームが始まった。
「それでは、お前達も早く終わることを望んでるみたいだからここらへんで終わるぞ。明日から夏休みだが、羽目は外さずに楽しめよ!」
担任のその言葉を締めにショートホームルームが終了すると、弾けるようにクラス内が喧騒な状態に打って変わった。
一輝はいつも通りゆっくり帰りの支度を始める。
(明日からは休みかぁ……)
一輝はそんなことを思いながら、リュックの中に教科書やノートを詰める。
その最中、騒がしい教室に2人の美少女が入室する。教室に身を置く生徒達が一斉に彼女達に好奇な目を向ける。
羽矢と莉菜は何度もこの教室を訪れているが、未だに生徒達は慣れないようだ。
1人はツヤがある桃色のボブヘア、緑の瞳のシミ1つない綺麗な肌などが際立つ美少女。もう1人は雪のような純白の肌、ツヤある白のロングヘア、透き通ったネイビーの瞳の美少女。
羽矢と莉菜だった。
「おい!朝元早くしろよ!!長いこと待つほど私は親切じゃないぞ」
「かずくん!一緒に帰ろ」
羽矢は右手を腰に当てながら、不満そうな顔を浮かべる。一方、莉菜は優しく笑顔を浮かべる。
「ごめん。もう少し待って」
一輝は申し訳なさそうにそう口にすると、先ほどよりも素早く手を動かす。
そのため、30秒ほどで帰りの支度は終了する。
「ごめん!お待たせ」
一輝は席から立ち上がり、イスを仕舞うと、リュックを背負う。
「結構待ったぞ。まぁ、許す」
「うん。じゃあ行かない?」
莉菜の言葉で3人揃って教室を出る。
廊下に出るとより一層注目を浴びる。一輝はそれらの視線に耐えながらも、羽矢と莉菜と会話をしながら歩く。これから始まる夏休みに関する話を。
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