↓ ↑ページトップへ
表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
嘘告白された後、学校で指折りの美少女である女友達と幼馴染から猛烈なアタックが始まった  作者: 白金豪


この作品ページにはなろうチアーズプログラム参加に伴う広告が設置されています。詳細はこちら

PR
22/103

21話 体操服


「ごめん!かずくんー!!」 


 1時間目開始10分前、莉菜が勢い良く一輝のクラスに突撃した。


「ど、どうしたの?そんなに慌てたような顔して」


 一輝は自席に座りながら、目をぱちぱち瞬かせた。


 今日も、一輝と莉菜は一緒に登校しており、5分ほど前に自クラスに向かうため別れたばかりだ。


「私、今日1時間目に体育があるんだけど、体操服を忘れちゃったの。しかも、それについさっき気づいて」


 莉菜は未だに平静を取り戻せないでいた。もう少しで、1時間目が始まることが大きな原因だと考えられる。


「それで、お願いなんだけど、かずくんって体操服持ってる?」


 莉菜は一輝の机に両手を置き、前のめりになる。一輝と莉菜の距離がより縮まる。


「ああ。持ってるよ」


 一輝は莉菜から目を外して立ち上がり、ロッカーに体操服を取りに行く。


「はい!しっかり洗ってるから!臭いもない。これで大丈夫?」


 一輝は自席に帰還すると、畳まれた体操服を莉菜に向けて差し出した。


「ありがとう〜。本当に助かったよ〜。かずくん」


 莉菜は目を輝かせながら、体操服を受け取る。その後、もう1度お礼を口にするなり、駆け足で教室を退出した。


 その6分後、1時間目が始まる合図としてチャイムが室内で存在感を示した。




「ありがとう!本当に助かったよ〜!!」


 莉菜が周囲に注目を浴びながら、一輝の席に接近する。莉菜はその間、白い歯を露わにしながら、 満面の笑みを浮かべる。


「うん。いいよ!莉菜のために貢献できたなら、よかったよ」


 一輝は莉菜から綺麗に折り畳まれた上下の体操服を受け取った。


「結構、汗かいちゃったかも。気になるようなら、洗って返すよ?」


 莉菜は一輝の顔を窺う素振りを見せる。自身の汗が一輝の体操服に付着していることを気にしているのだろうか。

 

「大丈夫だよ。気にしないで!幼馴染なんだからいいよ。それに、昔に何回か貸した時も、洗ってもらうことはなかったからいいよ」


「むぅ。確かに、昔はそうだったかもしれないけど。私達、もう高校生なんだよ?」


 莉菜は不満そうに口元をわずかに尖らせる。一輝と莉菜が数秒間、無言で見つめ合う。一輝と莉菜が無言で意見の主張をぶつけ合う。


「わかったよ。申し訳ないけど、洗わずにこのまま返すね」


 莉菜はため息を吐き、一輝から目を逸らした。莉菜が引く形になった。これ以上、見つめ合っても、イタチごっこになると推測したのだろう。おそらく、莉菜が引かなければ、一輝は体操服を洗って返してもらうことを拒み続けていただろう。


「そろそろ授業始まるから、私教室に戻るね!」


 莉菜は一輝に対して微笑みながら、ひらひらと手を振る。一輝も反応して、右手を左右に振った。


 莉菜は一輝の反応を視認し、満足したようにクスッと笑みをこぼした。その後、出る前に一輝を一瞥してから、教室を後にした。


 一輝は莉菜の姿が教室から消えると、体操服をロッカーに戻しに行った。


 その際、貸す前までは無臭だった体操服から香ばしい柑橘類の匂いが漂う。決して、不快感を催す部類の匂いではなかった。その匂いは遠慮なしに一輝の鼻腔をくすぐった。


 一輝はその匂いを知覚し、改めて女性が男性とは異なる存在だと思い知った。



⭐️⭐️⭐️

読んでくださった方、ありがとうございます!



評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。