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華のお江戸の振袖小町  作者: 水虎
第陸幕「逃亡」
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第陸幕の捌

体育の授業で無双してしまった小学生時代のアイリスの運命は……!?

「(あーやっちゃった……本気出しすぎた……どうしよう……)」

 ギャラリーの大喝采に反して、当人は体育の授業にもかかわらずジュニアチームと同じように全力でプレイしてしまい、完全に無双状態になったことを後悔していた。しかしそんな彼女を待っていたのは、からかっていた男子から差し伸べられた握手を求める右手と、意外な言葉だった。

「あの……今まで馬鹿にしてごめん。よければだけど、これから一緒に休み時間にもサッカーやろうぜ!」

「参りました! そのすごいテクニック、俺たちにも教えて!」

「師匠、俺たちを弟子にしてください、お願いします!」

 弟子入りに関しては授業中のため今は保留としたが、握手は応じ、これにてアイリスは転校してきたクラスの真の仲間となったのである。彼女の噂は瞬く間に広がり、地域の少年サッカークラブから引く手あまたになったことは言うまでもなく、彼女はその中からレオーネ豊穣に入団した。それからもアイリスは男子とはサッカー、女子とはダンスや縄跳びなどで遊んで交友を深め、楽しい思い出をたくさん作って小学校を卒業したのだった。

「わかった、お姉ちゃんがジョージ君に説得してみる。でも今日はもう遅いから、明日話してみるね。あ、名前言ってなかったね。私は土屋アイリス。よろしくね」

「俺は渡辺純也(じゅんや)! で、こっちが……」

木村修一(しゅういち)です! よろしくお願いします!」

 沈む夕日が帰りの時間を告げる。アイリスもまた、家路を急いだ。

 水崎家。あおいはふと気になったことを調べるためにノートパソコンの前にいた。そこに、無念の表情を浮かべた蓮が帰ってくる。

「ただいまー」

「蓮おかえり。ちょっとこれ見てくれる?」

 ノートパソコンのディスプレイに表示されたサイトを見る蓮。

「これは……さくらに知らせよう。それから、帰りにこんなことがあったからもしかすると小町部の出番かも」

 すぐさま蓮は吉井親子のことをあおいに話し、ノートパソコンが表示しているのと同じサイトをスマホで開く。そして、無料通話アプリでURLとともにさくらに用件を連絡する。

 火宮家。さくらはイナリとともに自室で因幡卯月の曲のMVをPCで動画サイトを開き視聴していた。

「あ、蓮からだ。なになに……えっ、これ私ヤバいじゃん!! イナリ、ちょっとだけ待ってて!」

 大急ぎでさくらは下の階にいる母親のもとへと走る。急いでいたがゆえにスマホを忘れて行ってしまったことに気づかないまま……。

「なんだろう急に……? そういや、これを見て慌てて出てったよね……」

 イナリの目線の先にはさくらのスマホがあった。

「……使い方ならもうわかってるもんねー」

 持ち主であるかのようにロック画面をいとも簡単に破り、さくらが直前に見ていたサイトを見たイナリは……。

弟子入りの下りは小学生時代に自分に弟子入りを志願してきた上級生が何人もいたことからです(何の弟子かは不明のままでしたが)w

渡辺と木村、少年の名字はちょっとひねってみました。元ネタがわかるかな?

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