第陸幕の参
みんなでコスプレ……と思いきや?
かりんの撮影会はどんどん熱を帯びていくが、あおいが我に返り本来の目的を思い出したため、撮影会は終了。ふとあおいがかりんの衣装を見ていくと、ひとつの問題点が浮かぶ。
「そういえば……この中で私たちでも着られるの……ないんじゃない?」
あおいの発言の真意に気づいてないさくらがニヤニヤしながら質問する。
「なんで? あおい、もしかして恥ずかしいの?」
「さく、あおいっちが言いたいのはもしかしてこういうことなんじゃ……ごにょごにょ」
「……あ……」
真意がわかっていたかんなが耳打ちすると、事実に気づきさくらは思わず口を開けてしまう。
そもそもかりんは面識のない人からすれば小学生でも通じるほどの小柄であり、背丈は平均的な女子高生の体型をしている他の小町部の部員ではサイズが合わないのだ。改めてさくらは、自分を含む小町部の女子部員の身長やそれ以外の部分をかりんと比較し、実際に着てみたところを想像してみた。自分の場合は、物理的には着られたとしてもどう考えてもつんつるてんになることに気づく。また、アイリスとかんなの場合は上半身でつっかえてしまい着ることすらかなわないことを悟った。この指摘を耳にし、かりんからはアイリスとかんなの上半身に2つずつある立派なものに対する羨望と悔恨の入り乱れた複雑な感情がこもった視線が飛んでいた。
衣装を作るにしても制作の技術はかりんにしかなく、彼女に負担がかかるのは火を見るよりも明らか。そのうえ彼女たちは高校生、いたずらに学校から出る部費を使うことなどできない。
しかし、かりんがコスプレをしている姿を見ることができて満足できたことに加え、彼女は現在手元にある衣装を着て参加、彼女以外は既製品をディスカウントストアで購入し、少し手直しをしてから当日着用することになった。
お金の話になった時点で饒舌だったかんなが突然無口になり、できる限り話をそらそうとしていたが、不自然だとは思うも詰問する者はいなかった。
これで決定かと思いきや、さくらが待ったをかける。
「私、日本酒の宣伝だから、日本らしく着物着たいんだけどいいかな? 昔おばあちゃんが着てたのがあるんだ」
「いいんじゃない? あの着物きれいだよね!」
「あー、あれか! 俺も賛成!」
きれいな着物と聞いてテンションの上がる一同。さくららしさもありコンセプトにも合った意見は満場一致の賛成となった。
「じゃあまた明日」
「バイバーイ」
「あー、あたし用事あるから先帰るね」
大急ぎで帰っていったかんなを見送ってから解散となった小町部は、それぞれ家路につく。しばらく歩いてから花ヶ咲にある自宅に着いたさくらとあおいに背中を見送られ、そのままアイリスは自宅へと歩いていく。
すると、一人の小学生くらいの少年が不安げに周りを見渡していた。
かりんさんの背丈や体型はチョココロネが好物の青いロングヘアに泣きボクロの子をイメージしていただければと思います。




