第陸幕の弐
コスプレイヤーかりん、本領発揮。
部での活動が終了後、空手部の居残り練習に付き合うことになった蓮を除く小町部は、家路に付こうとしたところを、かりんが止めた。
「呼び込みのときに私はコスプレしたいんだけど、みんなから見て着てても問題のないコスがあるか見てほしいからこの後大丈夫ならうちに来てくれない?」
「それってりんりんのコスプレが見れるってことじゃん! 行く行く!」
「人気コスプレイヤーのコスプレを生で……! 私も行く!」
ノリノリのさくらとかんなに苦笑いするあおいとアイリス。
この後に予定のある者がいなかったため、そのままかりんの住むマンションに向かい、かりんに衣装を出してもらう。客人たちが数着かと思っていた衣装は、ハンガーラックがいっぱいになるほどずらっと並んでおり、選ぶ側も時間を要するものになっていた。
「たくさんあるなー……アイリスちゃんはどれがいいと思う?」
ハンガーラックにかかったたくさんの衣装を一通り見るアイリス。
「どれもかわいいけど、これなんかいいんじゃないかな」
アイリスが選んだのは、幼馴染たちが数人のヒロインたちとともに野球チームを結成する青春物語のゲームのヒロインの一人の衣装だった。制服と特徴的な大きなボタンが付いた帽子、それと白いマントの3点セットである。
「それかわいい! りんりん、ちょっと着てみてよ!」
「それいいね、私も賛成」
「ノーメイクでよければいいよー。それじゃちょっと待ってて」
とりあえず着てみるとどんな感じになるのかを確認するため、衣装の製作者兼着用者に着てもらうことになった。かりんは衣装とウィッグを持って別室に移動した。
談笑しつつお菓子を食べながら待つこと数分、部屋の扉が開く。そこには、衣装に身を包んだかりんが仁王立ちしていた。
「わふ~!」
コスプレしたキャラクターの口癖を真似して、身も心もキャラクターになりきるかりん。小柄な彼女にとてもよく似合っており、化粧をしていなくても加工の必要を全く感じさせないかわいさであった。
「すごい、かりんちゃんかわいいー!!」
「ねえ、写真撮っていい!?」
「いいけどノーメイクだし、みんなは一般人なんだからネットにあげるのはNGね」
生で見るコスプレしたかりん、いや、りゅいふぉんというべきか。彼女の真骨頂を目の当たりにし、興奮のあまり撮影会が開始される。さくらとかんなは無我夢中でスマホでシャッターを切る。あおいとアイリスもじっくりとかりんの姿を見てから、シャッターを数度切った。
「そういえばかりんちゃん、このキャラってどんな子なの?」
「一言で言えば、外見以外日本要素しかないクォーター、かな。一部を除いてアイリスみたいな感じ。サッカーじゃないけど球技やるとこなんかも同じ」
「うーん……なんとなくわかった」
さくらの質問に、かりんは鼻高々に答えつつ、自分がコスプレしているキャラクターとアイリスの違う部分を曇った目でさくらとともに見つめる。自分みたいなキャラクターとは、と思ったアイリスはかりんにキャラの名前を聞き、スマホでその名前で検索して納得する一方、自分がどう見られていたのかを知る結果となる。
わかる人はいると思いますが寒い国とのハーフだけど寒いのは苦手な犬を2匹飼ってる子のコスプレをしてもらってます。




