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華のお江戸の振袖小町  作者: 水虎
第伍幕「始動」
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第伍幕の拾肆

慣れないルールにはこう突破します。

 上空の爆発で起きた閃光で、気絶させられて植え込みに無造作に寝かされていた莉子が目を覚ます。その目に映った振袖小町とネガボットの戦いに、立ち上がってすぐさまカメラの電源を入れて撮影を開始する。

 ロンの乱入があってもまだ問題は立ちはだかっており、その証拠にネガボットは未だ蓮を追いかけている。なんとかして蹴りをつけなければ、これ以上の爆発に耐えるのは彼女たちの体力的にも、校舎の強度的にも厳しくなってきている。もう勝利するしかない。

 スキロスは怒り心頭のロンの猛攻をよけることに集中していて、その場の支配どころではなくなってしまっていた。

「くっ、私としたことが!」

「知らなかったようだから教えてやろう。俺は、貴様がやったような卑怯な真似がこの世で一番嫌いなんだ!!」

 とっさに持っていた本で身を守ろうとしたスキロスだったが、ロンの怒りの斬撃は本の1冊など簡単に切り裂いてしまった。

「おいネガボット! これが見えるか!?」

 蓮の声が響き、一同が声のする方へ振り向く。彼は頭上にラグビー部の持ち物であった段ボール箱を両手で掲げていた。

「ネガ!?」

 段ボール箱が目に入るや否や、ネガボットはうろたえ始め、段ボールを持った蓮を追い回し始める。

「こ、これはどういうことですか!」

「ネガボットは人間がいないと作れないんだろ? なら、その人間に関わるものを持ってきたのさ!」

 ネガボットから逃げながら箱を小脇に抱えた蓮が解説する。ネガボットは必死で追いかけるが、蓮の俊足に追いつき追い越すことができなかった。そんな中、箱から1枚の紙が出てきて、風でさくらの足元に飛んでくる。それを見たさくらは……。

「蓮の推測が合ってるなら、これは使えるかも!」

 ロンは刀を鞘に納め、腰を抜かしているスキロスに向けて宣告する。

「今回の件で怒りはしているが、貴様を組織から追放する気はない。責任を持ってこの戦いの指揮を最後まで執るんだな」

 恐怖を味わったスキロスは崩れ落ち、戦意を喪失していたが、ロンの叱咤を受け立ち上がる。

「振袖小町! 貴様たちのことは仲間から聞いている。だが今回の目的はお前たちではない。お手並み拝見と行こう」

 ロンはそのまま飛び上がり、屋上に着地する。そこから、振袖小町の戦いぶりを見ながら、本来の目的を探すこととした。すると……。

「(間違いない、この声は……!)」

 校内からかすかに聞こえた彼の鼓膜に焼き付いた声を何年かぶりに耳にし、一筋の涙を人知れず流していた。

 スキロスがボールを投げるが、蓮を追うことに集中しているネガボットはそれに気づかず、かりんがボールをキャッチする。そして、すぐ近くにいたさくらに耳打ちする。

「……に……ってのがあるんだけど……」

「それいい! やろう!」

 提案を快諾したさくらは、号令をかける。

「かりんちゃん、振袖小町ハリケーンいくよ!」

 いきなり飛び出た謎の言葉にあおいとアイリスは唖然。が、かりんがこっちに来るようにジェスチャーをしていたため言われるがままに集合し横1列に整列、伝言ゲームの要領でこれから何をするか説明する。

 そのままかりんが斜め下にかざした手を縦に置いたボールの上に添え、他の3人も同じポーズをとる。その後ろでは、カメラのフラッシュがたかれていた。

5という数字に合わせて、チームヒーローの伝統の必殺技をお見せいたします。4人だけどね。

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